YMYLとは、「Your Money or Your Life」の略語です。
「人々の将来の幸福、健康、経済的安定、安全に潜在的に影響を与えるテーマ」という意味があります。
YMYLに関する領域は人々に大きな影響を与えるため、Googleによって厳格な評価基準が定められています。「医療や健康に関係するジャンルは検索順位が上がらない」と聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。
しかし、YMYLに該当する領域だったとしても、適切なSEO対策の方法を実施すれば、検索順位が向上する可能性があります。
本記事では、YMYLの意味や対象となるジャンル、YMYLのSEO対策ポイントについて解説します。
「YMYLにはどのようなジャンルが当てはまるの?」
「YMYLに対する具体的なSEO対策の方法を教えてほしい」
このような疑問・要望がある方はぜひ最後までご覧ください。
YMYLとは?
YMYLとは、「Your Money or Your Life」の略語で、「人々の将来の幸福、健康、経済的安定、安全に潜在的に影響を与えるテーマ」を意味しています。
YMYLに該当するジャンルを扱う記事に誤情報が載っていると、その情報を信じた人の生活にネガティブな影響を与えかねません。
例えば、本当は食べてはいけない食べ物のはずなのに、記事内で「食べてもいい」と誤情報を流して、それを信じて食べてしまった人がいたらどうなるでしょうか。非常に危険な事態になりますし、最悪の場合は人の生命に関わる問題になります。
このような事態を起こさないために、Googleは情報の正確性や信頼性を判断するための厳しい基準として、YMYLを設けています。
近年のSEOの評価基準では、「YMYLの対象となるジャンルに該当しているか」また「YMYLに関する情報を発信するだけの専門性や権威性はあるのか」といったポイントが重要視されています。
そのため、自社で発信する情報がYMYLに該当するのかしっかり把握しておく必要があります。
次の章では、YMYLの対象となるジャンルをまとめたので、それぞれ詳しく解説します。
最新のSEO対策についてより詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
YMYLの対象となるジャンル
YMYLの具体例となるジャンル・テーマをまとめました。
- ①最新ニュース・イベント
- ②市民の権利・義務、政治、法律
- ③経済
- ④ショッピング
- ⑤健康と安全
- ⑥人々のグループ(人種・宗教・国籍など)
- ⑦その他
それぞれ詳しく解説します。
①最新ニュース・イベント
1つ目は、「最新のニュース・イベント」です。
具体的には、政策・公共に関わる時事問題や災害に関わるニュースなどが該当します。
よりわかりやすく解説すると、ウクライナとロシアの戦争に関する話題です。このようなニュースは国民の生活に大きな影響を与える可能性がありますし、万が一誤情報が流れてしまっては収拾がつかない事態になります。
そのため、個人ブログや中小企業のメディアで上記に該当するような話題に触れたとしても、検索順位が上がる可能性は限りなく低いと言えます。
とはいえ、芸能人やスポーツに関する最新ニュースやイベントであれば、YMYLに該当しない場合もあります。
全てのニュースやイベントがYMYLに該当しないことを覚えておきましょう。
②市民の権利・義務、政治、法律
2つ目は、「市民の権利・義務・政治・法律」です。
市民の権利であれば、性別や年齢、選挙など、法律であれば、法律の改正や離婚に関する問題といったことがYMYLに該当します。
法律に関する誤った情報が流れた場合、生命の危機はないかもしれませんが、人の人生に大きな影響を与える可能性が高いです。
③経済
3つ目は、「経済」です。
具体的には、株や為替、税金といった金融に関する事柄が該当します。また、仮想通貨に関する話題もYMYLに該当すると言って良いでしょう。
間違った投資の知識を発信して、信じた人がその投資の方法を試してしまった場合、金銭に関わる取り返しのつかないことになります。
経済に関する情報はYMYLに該当すると覚えておきましょう。
④ショッピング
4つ目は、「ショッピング」です。
ここまで解説した3つはなんとなく想像できると思いますが、ショッピングに関してはなかなかイメージがつかない方もいるのではないでしょうか。
ショッピングジャンルにおけるYMYLは、インターネット上で商品の販売や購入、決済ができるサイトが該当します。
サイト上で金銭の取引が発生するECサイトやホームページなどは、YMYLに該当すると覚えておくと良いでしょう。
⑤健康と安全
5つ目は、「健康と安全」です。
具体的には、病気・薬などの医療に関する情報やその人の生命に関わる事柄が該当します。また、化粧品のように美容に関する情報も含まれるでしょう。
例えば、ある病気名で検索したときに、医療の資格も持っていない個人ブログが上位に表示されたらどうなるでしょうか。非常に危険ですし、検索した人の命に関わるかもしれません。
そのため、YMYLの中でも「健康・安全」に関するジャンルは、特に厳しく基準が設けられています。
⑥人々のグループ(人種・宗教・国籍など)
6つ目は、「人々のグループ(人種・宗教・国籍)」です。
人種や宗教は国境を跨ぐ事柄であり、非常にシビアな内容のため、YMYLに該当します。
また、LGBTに関する情報もこちらのジャンルに含まれます。
⑦その他
①~⑥には当てはまらないものの、人々の生活に大きな影響を及ぼすとされるテーマはあります。
例えば、栄養学や不動産、職探しに関する情報です。
栄養学には、筋力トレーニングやサプリメントが当てはまります。いずれも人体に影響を及ぼすものなので、医療ほどではないとはいえYMYLの領域になってきます。
一方で不動産は、住宅の購入や引越しに関する情報などが該当します。
特に住宅の購入ともなると、人生の一大イベントで大きなお金が動きます。間違った情報によってその人の人生を大きく変えてしまう可能性もあるため、YMYLに含まれます。
YMYLとGoogleアップデートとの関係性
Googleは、検索エンジンのアルゴリズムのルールを定期的に変更しています。
Web担当者の方であれば聞き馴染みがある単語かと思いますが、いわゆる「Google Update」と言われるものです。
日々細かなアップデートは行われているものの、アルゴリズムに大きな変更をもたらす大規模アップデート(コアアップデート)は、年に数回しか行われていません。
2017年4月26日に、フェイクニュース対策を目的としたアルゴリズムのアップデートも、大型アップデートの1つです。
また、同年12月には医療や健康に関連する検索結果の改善についてのアップデートも実施されています。
https://developers.google.com/search/blog/2017/12/for-more-reliable-health-search?hl=ja
さらにウィルゲートの調査によると、2019年7月にYMYLの対象となるジャンルの基準が厳しくなり、検索順位に大きな変動をもたらしたことがわかっています。
それ以降、細かなアップデートは行われているものの、一貫してYMYLジャンルのコンテンツには高い専門性と信頼性、権威性が求められています。
つまり、YMYL領域では「コンテンツを誰が作っているのか」ということが重要になっているのです。
アップデートに関してより詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
「パンダとペンギンアップデート」の違い Googleガイドラインを理解してペナルティを回避
YMYLとE-A-Tの関係性
E-A-Tとは、以下3つの項目の頭文字を取ったものです。ユーザーの検索意図に対して、適切な検索結果を返せているかの評価基準を指します。
- Expertise(専門性)
- Authoritativeness(権威性)
- Trustworthiness(信頼性)
Googleは、上記の3指標のレベルが高いサイト(ページ)を評価することを、「検索品質評価ガイドライン」にて公式に言及しています。
特に、YMYL分野のメディアにおいて、E-A-Tは厳格に評価されています。
なぜなら、E-A-Tを押さえれば、必然と情報の正確性が上がるからです。
つまり、ユーザーに誤りのない情報を与えられるということになります。
以前のSEO対策では、検索順位向上を目的にキーワードを詰め込んだ記事が多く出回っており、その中にはフェイクニュースも多く含まれていました。現在、YMYLの領域と言われるキーワードであっても、多くのキーワードを含めれば上位表示できる時代があったのです。
しかしながら、そのようなコンテンツを上位表示しても事実とは異なる情報を含むため、ユーザーに不利益をもたらすだけです。もしかしたら、人の命に関わるような最悪の事態が起こるかもしれません。
そのような経緯もあり、YMYL領域のコンテンツに対しては、特に厳しくE-A-Tが評価されるようになっています。
まとめると、YMYL領域のキーワードで上位表示するためには、E-A-Tを満たす必要があります。すなわち、YMYLとE-A-Tの関係は切っても切り離せないものです。
E-A-Tについてより詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
SEOにおける「権威性」の重要性|E-A-T・YMYLについて解説
YMYLのSEO対策ポイント
YMYL領域におけるSEO対策のポイントを4つまとめました。
- ①専門家監修を受ける
- ②出典を明記する
- ③サイトの運営元を明記する
- ④良質なサイトから被リンクを獲得する
それぞれの対策ポイントを詳しく解説します。
①専門家監修を受ける
1つ目の対策ポイントは、「専門家監修を受ける」ことです。
コンテンツを制作するにあたって、専門家の監修を入れましょう。それによって、コンテンツが専門性を満たしていると検索エンジンから判断され、結果としてSEO評価が向上します。
これは、E-A-Tの「専門性」が評価されたことによる結果です。
法律に関するサイトであれば弁護士、医療に関するサイトであれば医者や医療従事者を監修に入れ、自社サイトの専門性を高めましょう。
ただし、場合によっては専門家監修にも費用がかかるため、費用対効果やメリットを考えた上で行いましょう。
②出典を明記する
2つ目の対策ポイントは、「出典を明記する」ことです。
出典や参考情報、引用元などの情報源を明記することにより、YMYLに関する情報であったとしても適切なSEO評価を受けられます。
なぜなら、情報源となるサイトが発信する情報の信頼性が高いからです。例えば、法律に関する情報発信を行なった場合でも、その情報の出所である弁護士事務所を明記すれば、ユーザーは正確な情報だと判断できます。
出典を明記する際は、官公庁などの公的機関や専門機関といった、信頼性の高い情報源を発信しているサイトが望ましいと言えます。
③サイトの運営元を明記する
3つ目の対策ポイントは、「サイトの運営元を明記する」ことです。
会社情報や執筆者を記載することで、「誰が責任を持って発信している情報であるか」をユーザーに明示できます。結果、ユーザーも安心してサイトを閲覧できるようになり、Webサイトが定めている目標にも繋げやすくなるでしょう。
また、Googleも「どこの」「誰が」情報を発信しているか判断できるため、検索エンジンから適切なSEO評価を受けられるようになります。
特に現代では、「誰が情報を発信しているのか」といったことが非常に重要視されており、運営元が不明なだけでサイトの信頼性が大きく下がります。
YMYL領域に強いサイトにするためにも、「会社概要」や「執筆者」などのサイト運営元である情報をしっかり明記しましょう。
④良質なサイトから被リンクを獲得する
4つ目の対策ポイントは、「良質なサイトから被リンクを獲得する」ことです。
被リンクを獲得することによって、外部サイトから高い評価を受けているとGoogleから判断され、その結果として検索順位にプラスの影響を与える効果があるのはご存知でしょうか。
しかしながら、ただ闇雲に被リンクを獲得するだけでは、YMYL領域のSEOで大きな効果は見込めません
YMYLの領域であってもSEO評価を大きく向上させるためには、良質なサイトやブログから被リンクを獲得する必要があります。
質については、以下のようなサイトからの被リンクを獲得するのが良いと言われています。
- 対象サイトとの関連性が高いサイト
- リンクを多く獲得しているサイト(検索エンジンからの評価が高いドメインのサイト)
参考:検索アルゴリズムの仕組み
また、取引先などに依頼をして獲得する被リンクよりも、ナチュラルリンクの獲得を目指しましょう。
ナチュラルリンクとは、外部サイトから自然に受けた被リンクであり、自作自演・有償・売買などに該当しないリンクのことです。
自然に被リンクを獲得しているということは、ユーザーから情報が有益だと判断されているため、結果的に検索エンジンから受ける評価も高くなります。
ナチュラルリンクの具体的な獲得方法は、独自の調査結果をまとめたコンテンツを作成したり、自社しか出せない情報を発信したりするなど、様々な方法があります。
ただし、前述したとおり被リンクはSEO評価に大きな影響を及ぼすので、良質なリンクの獲得だけではなく、リンク獲得の際の注意点についても理解した上で、施策を実施する必要があります。
被リンクのSEO効果や獲得方法、注意点についてより詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
まとめ
本記事では、YMYLの意味や対象となるジャンル、YMYLのSEO対策ポイントについて解説しました。
YMYLとは、「Your Money or Your Life」の略語です。「人々の将来の幸福、健康、経済的安定、安全に潜在的に影響を与えるテーマ」を意味しています。
YMYLに該当するジャンルは、人々に大きな影響を与えるため、厳しい評価基準が設けられているのが特徴です。
また、YMYLに関連するキーワードは、Googleによるアップデートの影響を受けやすく、せっかく上げた検索順位が一気に下がる可能性があります。そのため、一般的なキーワードよりも非常に難易度が高いと言えるでしょう。
もし、YMYLに関連するジャンルでサイト運営を行なっており、まだ具体的な対策をしていない方は、本記事で解説したSEO対策のポイントを試してみましょう。
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