
M&A戦略とは。M&Aを成功に導くために重要です。なぜなら、戦略をきちんと立てることによってシナジー効果を得たり、経営統合を円滑に進めたりすることができるからです。今回は、M&A戦略について成功のポイントなどを解説します。
\成約例や支援の特徴・流れを紹介/
M&A戦略とは、M&Aを通じてどのような経営効果を実現し、そのためにどのような手順で進めるかという具体的な準備や計画を指します。M&Aは譲渡企業と譲受企業の双方において、組織体制や業務フローに劇的な変化をもたらすため、初期段階で揺るぎない基本方針を定めておくことが欠かせません。
策定にあたっては、まず自社の現状を客観的に分析し、目的を明確化した上で市場調査の結果などを踏まえた戦略を立案します。適切な戦略を構築することで、自社のニーズに合致した企業とのマッチング精度が高まり、成約後の経営統合作業(PMI)も円滑に進む効果が期待できます。
■関連記事:M&Aとは?M&Aの目的、手法、流れなどをわかりやすく解説
https://www.willgate.co.jp/ma-column/knowledge/566/
M&A戦略とは、どのようにすればM&Aを成功させられるのかといった計画のことです。M&Aにはさまざまな形があり、M&Aでどのような効果を得たいのかといった目的によって必要とされる戦略が異なります。
M&Aを行うということは、売り手側企業にとっても買い手側企業にとっても大きな変化をもたらすものであり、はじめから基本的な方針を定めておくことで混乱を少なくできるでしょう。
M&Aの目的はさまざまで、売り手側の目的と買い手側の目的は異なります。目的を明確にすることこそが、M&Aを成功させるためのカギなので、まずはどのような目的でM&Aを行うのかをはっきりさせておきましょう。ここでは、売り手側の目的と買い手側の目的について詳しくみていきます。
売り手側がM&Aを行う目的は、単なる利益の追求だけでなく、企業の存続やさらなる発展を目指すなど多岐にわたります。主な目的は以下の通りです。
・売却益の獲得と新事業への挑戦
・後継者不在による事業承継の解決
・大手企業の傘下に入ることによる事業成長
・個人保証や債務からの解放
後継者問題を抱える中小企業にとっては、第三者に承継することで従業員の雇用を守り、廃業を回避できる点が大きなメリットです。また、売却によってまとまった資金を得ることで、経営者がシリアルアントレプレナーとして新たなビジネスに着手するケースも増えています。自社の現状に合わせ、最適な目的を明確にすることが重要です。
買い手側がM&Aを行う主な目的は、事業成長の加速や経営基盤の強化です。代表的な目的として以下の5点が挙げられます。
・新規事業への参入
・既存事業の拡大
・シナジー効果の創出
・新たな技術やノウハウの獲得
・コストの削減
ゼロから事業を立ち上げるよりも、既存企業を買収するほうが時間やコストを抑えて市場へ参入できます。また、譲渡企業の持つ取引先や技術を活用することで、売上向上やブランド認知度の拡大が期待できる点も大きなメリットです。
仕入れルートの統合によるコスト削減や、自社事業との相乗効果による多角化など、経営効率を高めて競争優位性を確立するためにM&Aは有効な手段となります。
\成約例や支援の特徴・流れを紹介/
M&A戦略を策定することは、取引を単なる成約で終わらせず、当初掲げた経営目標を確実に達成するために極めて重要です。戦略が不在のまま進めると、交渉の軸がぶれるだけでなく、統合後に期待していた相乗効果が得られないリスクが高まります。
以下では、売り手・買い手それぞれの立場における戦略策定の重要性について解説します。
売り手側にとってM&A戦略の策定が重要である理由は、自社の企業価値を最大限に引き出し、理想的な条件での売却を実現するためです。戦略が不明確なまま進めてしまうと、本来得られるはずだった売却益を損なったり、従業員の雇用継続や技術の承継が危うくなったりするリスクがあります。
あらかじめ自社の強みや弱みを分析し、どのような相手に譲渡すべきかという方針を固めておくことで、交渉の場でも一貫した主張が可能になります。また、廃業を回避し事業を存続させるための道筋を明確に描くことは、経営者としての責任を果たすことにも繋がります。適切な戦略立案は、納得感のある成約を勝ち取るための不可欠な土台となります。
買い手側にとってM&A戦略を策定することは、投資対効果を最大化し、買収後の成長を確実なものにするために不可欠です。戦略が不十分なままM&Aを進めると、想定していたシナジーが得られず、買収価格に見合わない結果に終わるリスクがあります。
事前に自社の成長戦略や補完したい経営資源を明確にしておくことで、買収対象の選定精度が高まり、過度な価格競争や戦略外の案件への参入を防ぐことができます。また、PMI(経営統合プロセス)を見据えた戦略設計により、買収後の混乱を抑え、早期の価値創出につなげることが可能になります。
M&A戦略を成功に導くためには、計画的なステップに沿ってプロセスを進めることが不可欠です。まずは自社の現状を客観的に把握し、何のためにM&Aを行うのかという目的を明確にすることから始めます。
その後の具体的な手順は、以下のステップで進行します。
1.自社分析
2.目的を定める
3.市場調査
4.M&Aを成功させるための戦略をまとめる
5.相手企業を探す
6.アプローチ方法を検討する
7.リスクの検討
これらの各工程を丁寧に進めることで、場当たり的な判断を避け、自社の経営目標に合致した取引を実現できます。
以下では、各ステップの詳細について解説します。
M&A戦略の際にまずしなくてはならないことは、自社分析です。自社のことは創始者の自分がよく知っている、と思いがちですが、案外そうでもありません。
自社の強みや弱みを理解することは、M&Aを成功させるために重要なポイントです。M&A戦略策定を行うために、自社を徹底的に洗い出しましょう。
自社分析を行うためには、フレームワークが活用されることが多くあります。主に使用されるフレームワークには、以下のようなものがあります。
それぞれのフレームワークの詳細については後述しますが、これらのフレームワークを活用することによって、自社分析を行うことができます。
自社分析を的確に行うことで、経営環境を理解することができるため、M&Aの目標や目的を設定することができるでしょう。自社の課題を洗い出すことによって、適切なM&A戦略を立てることができます。
自社分析が終わったら、M&Aの目標を定める必要があります。目的は、売り手側と買い手側では違います。前述したとおり、売り手側の目的は創業者の売却益であったり、事業の継承であったりします。
また、スタートアップ企業などは成長戦略の一つであることも多いでしょう。買い手側の目的は、シナジー効果や事業の拡大、新規事業への参入などです。
売り手側、買い手側のどちらも、自社のみでは達成の難しい目的がある場合に、M&Aを活用して企業価値を高め、達成することが可能になります。
M&Aは、日本ではマイナスのイメージを持っている人も多く、会社の成長のためにイグジット戦略としてはIPOが選ばれることが多くありました。
しかし、近年M&Aによる利点が浸透してきたために、イグジット戦略としてのM&Aが増加しつつあります。
M&Aの目的を定めたら、目的に沿った市場調査を行う必要があります。例えば、M&Aの目的が自社の事業拡大や成長、事業の継承のためだとしたら、同業種の市場を詳細に調査しなければなりません。
一方で、新規事業への参入を考えている場合や、自社とは異なる業種の会社とM&Aを考えている場合は、異業種の市場調査を行う必要があります。
同業種の市場調査は詳細に行えても、異業種では難しいこともあるでしょう。そのため、M&A仲介業者やアドバイザーなどの専門家を頼ることも一つの手段です。
M&Aを成功させるためには、戦略をまとめることが重要です。戦略は、M&Aの目的や市場調査の結果を踏まえてどのような会社をM&Aの対象とするのかや株式譲渡、事業譲渡などのスキーム、M&A後の経営戦略などをまとめます。
M&A戦略は複数のパターンを用意しておくことで、M&A成立後の経営体制をスムーズに整えることが可能です。
M&A戦略をまとめたら、買い手になる企業を探すようにしましょう。まずは目的に合う数十社をリストアップしたロングリストを作成し、ロングリストから少しずつ条件を絞って企業数を減らしていき、数社を残したショートリストを作成します。
どの企業が良いのかといった相手探しは、自分ですることもできますが、M&A仲介業者に依頼することも可能です。また、良い企業を見つけた場合に直接交渉することもできます。
直接交渉するのはスピーディーに話が進む一方で、気心の知れた相手でなくては難しいという面もあります。なぜなら、直接交渉に臨む場合は会社のトップかそれに近い人材が交渉役をする必要があるからです。
直接交渉は経営者同士の関係性がある場合などに行われることもありますが、情報管理や条件調整の難易度が高いため、専門家を介して進められるケースが多いのが実情です。
多くの会社はM&A仲介会社を利用し、ピッタリな相手とのマッチングから選定、トップ会談のセッティングなどM&Aにおいて必要なことのすべてのサポートを受けています。
M&A仲介会社を通すと、匿名での交渉が行える点も大きなメリットといえます。M&Aには専門的な知識が必要であり、特に相手企業を探して交渉するとなると、プロフェッショナルの力を借りたほうが良いでしょう。
相手企業へのアプローチは、M&Aの成否を分ける重要なステップです。検討した候補企業に対し、自社の意向をどのように伝えるかを慎重に決定します。
アプローチの方法には、経営者同士の繋がりを活用した直接交渉のほか、M&A仲介会社や銀行などの専門機関を通じた間接的な依頼があります。直接交渉は迅速な意思決定が可能ですが、心理的なハードルが高く、条件交渉が感情的になりやすい側面もあります。
一方、仲介会社を介する方法では、初期段階で社名を伏せた「ノンネームシート」を用いて打診できるため、機密保持の観点から非常に安全です。自社のリソースや秘匿性の重要度を考慮し、最適な手法を選択することが求められます。
買い手企業に検討をつけたら、リスクの検討をする必要があります。とくに自社の財務や会計状況はしっかり把握しておくことが重要です。
また、売り手側企業は税務や創業者の今後についてなどを注意し、契約をする前に話し合うことで問題ありませんが、買い手側企業は、以下の点に注意しましょう。
とくに重要なのは、売り手側の資産や抱えている負債に関してです。売り手側企業が負債を抱えている場合、原則として売り手企業の負債も含めて引き継ぐことになりますが、事業譲渡では引き継ぐ資産・負債を選別することが可能です。
そのようなことになってしまうと、とくに簿外債務に関しては帳簿に書き込まれない負債であるため、自社の経営者さえ知らない場合があります。
企業規模にかかわらず、簿外債務や偶発債務が存在する可能性があるため、注意深い調査が必要です。、注意して調査をする必要があるでしょう。リスクはあらかじめ把握しておくことで、必要な対策をM&A戦略に盛り込むことができます。
また、異なる企業が一つに統合されるため、価値観や文化の違いについても知っておくことが大切です。企業文化をいきなり大きく変更するのは無理があり、反発も大きくなってしまいます。
そのため、事前にM&A戦略に統合後の従業員への対応についても盛り込んでおくことをおすすめします。売り手側の企業は、買い手側の企業から調査がきたらきちんと協力することで、M&Aがスムーズに進むでしょう。
\成約例や支援の特徴・流れを紹介/
事業承継を目的としたM&Aは、後継者不在に悩む中小企業にとって非常に有効な戦略です。親族や社内に適任者がいない場合でも、第三者の企業に事業を譲渡することで、長年築き上げてきた技術やノウハウ、従業員の雇用を次世代へ確実に繋ぐことができます。
単に事業を存続させるだけでなく、豊富な資金力やネットワークを持つ買い手企業の傘下に入ることで、自社単独では困難だったさらなる成長を目指せる点も大きなメリットです。
廃業という選択を回避し、取引先への影響を最小限に抑えながら円滑に経営権を移譲するために、早期から専門家と連携して準備を進めることが推奨されます。
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選択と集中は、自社の強みがある中核事業に経営資源を投入し、それ以外のノンコア事業を売却する戦略です。不採算部門や成長性の低い事業を切り離すことで、組織全体の収益性を高め、強固な経営基盤を構築することを目指します。
売却によって得た資金や人材などのリソースを主力事業へ再配置できるため、市場競争力を飛躍的に向上させることが可能です。また、切り離された事業にとっても、その分野を得意とする買い手企業のもとで新たな成長の機会を得られるというメリットがあります。
多角化が進み、経営資源が分散してしまっている企業にとって、企業価値を最大化させるための極めて有効な経営判断となります。
スタートアップやベンチャー企業にとって、M&Aによるイグジットは有力な成長戦略の一つです。これは、自社の株式を大手企業などに売却することで利益を確定させ、経営から退く、あるいは新たな体制で事業を継続させる手法を指します。
近年では、新規株式公開(IPO)に代わる選択肢として高く評価されています。IPOに比べて準備期間を短縮できるほか、買い手企業の豊富な経営資源を活用することで、自社単独では成し遂げられなかった事業の急成長を狙える点が大きな魅力です。
経営者は売却益をもとにシリアルアントレプレナーとして新しい事業に挑戦することも可能です。この戦略を成功させるには、自社の企業価値を客観的に把握し、適切な売却時期を見極めることが求められます。
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水平統合とは、同じ業種や業態に属する競合他社を統合する手法を指します。この戦略の主な目的は、市場シェアの急速な拡大と、事業規模を大きくすることによるスケールメリットの享受です。
同一業界の企業が一つになることで、仕入れ量の増加に伴うコスト削減や、物流ルートの効率化が期待できます。また、重複する拠点の集約や管理部門の共通化により、経営の効率性を高めることも可能です。
この戦略は、短期間で業界内での競争優位性を確立したい場合に極めて有効な手段です。競合を吸収することで市場での支配力を強め、ブランドの認知度を一気に向上させることも目指せます。
垂直統合とは、サプライチェーンにおける上流から下流までの工程を、M&Aによって自社グループ内に取り込む戦略を指します。具体的には、メーカーが原材料の供給元である仕入先を買収したり、逆に製品の出口となる販売先を統合したりするケースが該当します。
この戦略の大きな目的は、中間コストの削減と供給体制の安定化です。自社で流通網や原材料確保の機能を保有することで、外部環境の変化に左右されにくい強固な事業基盤を構築できます。
また、製品開発から販売までの情報共有が円滑になるため、市場のニーズを素早く製品に反映できる点もメリットです。業務効率を大幅に高め、市場での競争力を強化したい場合に有効な手法となります。
新規事業への進出を目的としたM&A戦略は、多角化戦略とも呼ばれます。自社がこれまで培ってきた経験やノウハウとは異なる領域へ、他社の経営資源を活用して参入する手法です。
この戦略の最大のメリットは、一から事業を立ち上げるよりも短期間で参入でき、成功の確度を高められる点にあります。自社で新規事業をゼロから構築する場合、設備投資や人材採用、顧客開拓に多大な時間とコストを要し、失敗のリスクも低くありません。しかし、すでにその分野で実績や販路、技術を持つ企業を買収することで、時間を買う感覚でスムーズな進出が可能となります。
また、既存事業とは異なる収益源を確保することで、特定の業界における市場変動や景気の影響を分散し、経営の安定化を図る効果も期待できます。リスクヘッジと持続的な成長を両立させたい企業にとって、極めて有効な選択肢です。
M&A戦略策定を成功させるには、いくつかのポイントがあります。ポイントは、売り手側と買い手側でそれぞれ違うため、ここではそれぞれの視点から成功させるためのポイントをみていきましょう。
売り手側の成功のポイントは、以下の5つです。
売り手側の目的にもよりますが、M&Aの相手が見つからなければ廃業になってしまう場合もあるため、しっかりと見極めて成功させることが重要です。それぞれのポイントについて、詳しく解説します。
M&Aを行うときには、M&Aはあくまでも経営戦略の一つであることを忘れないようにするというものです。M&Aには時間と手間がかかり、M&Aの間はかかりきりになってしまうこともあるでしょう。そうなると、M&Aを制約することが目的になってしまう場合もあります。
しかし、M&Aはあくまでも成長戦略の一つの手段であって、決してM&Aを成功させることが目的ではありません。そのため、本当にM&Aが最適なのか、成長戦略として適当なのかをしっかりと考える必要があります。
自分に合ったスキームを選択することも、成功のためのポイントといえるでしょう。M&Aのスキームには「株式譲渡」、「株式交換」、「株式移転」、「第三者割当増資」、「事業譲渡」、「吸収分割」、「新設分割」があります。良く活用されるのは株式譲渡と事業譲渡です。
売り手側にとって経営そのものから退きたい場合や、買い手側にとって対象企業の経営権を獲得するためには、株式譲渡を選ぶ必要があります。
株式譲渡は、株式の対価として現金を支払うことであり、株主となる経営者が変わるだけで、会社としての契約関係は原則維持されますが、経営権の移転によりガバナンス体制や意思決定プロセスには大きな変化が生じます。
一方で事業譲渡は、売り手企業の事業の一部、もしくはすべてを買い手側企業に譲り渡すもので、買い手側企業は一つ一つの事業に現金での対価を払って譲り受けます。
多角経営をしている場合に、不採算部門の整理をするときなどに使われる手法です。M&Aのスキームはいくつもの種類があるため、目的に合ったスキームを選ぶことが成功のポイントです。
情報の守秘もまた、M&A戦略策定成功のポイントといえるでしょう。M&Aを行う際には、さまざまな機密情報の交換なども行われます。もし機密を漏らしてしまったら、M&Aは失敗してしまうこともあるでしょう。
そのため、守秘義務を守って、機密情報を漏らさないようにしなければなりません。もちろん機密情報だけでなく、M&Aに関する情報は全て秘匿することが大切です。
M&A戦略策定成功のポイントの一つに、イグジットプランを明確にしておくというものがあります。会社のイグジットプランには、主にIPOとM&Aがあります。
米国などではM&Aが選択されることがほとんどですが、日本ではM&Aにあまりいいイメージがないせいか、IPOを選択する企業も多くありました。
しかし、近年ではM&Aをイグジットプランとして考えている企業も多くあります。重要なのは、イグジットプランとして目的に合うのがIPOなのかM&Aなのかという点です。
自分で事業をより大きく成長させたいのに、M&Aを行うのでは意味がありません。イグジットプランを明確にしておくことで、M&Aを成功させることができます。
M&Aは、複雑で専門的なプロセスが必要になります。そのため、自社だけで解決しようとすると、失敗することも多いのが現状です。
そのため、M&Aを成功させるなら、M&Aに対する深い理解と専門的な知識のある専門家に頼る必要があるでしょう。
M&A仲介会社を通すことで買い手側と匿名でのやり取りができる点もポイントです。専門家に依頼をして、M&Aを成功させるための道筋を立てておきましょう。
M&Aは、買い手側にとっても成功のためのポイントを抑えておく必要があります。買い手側にとってのポイントは、以下の2つです。
それぞれどういったことなのかを、詳しくみていきましょう。
買い手側は、M&Aの相手に効果が高い企業を選ぶ必要があります。M&Aをするということは、コストがかかります。その分の効果が見込めないのでは、成功したとはいえないでしょう。
主にシナジー効果が期待できる、新規事業参入への足がかりになる、事業拡大への助けになるといった効果が見込める企業であれば、自社の拡大の手助けになるでしょう。コストに見合うだけの効果が見込め、M&Aは成功といえます。
買い手側企業がM&A戦略策定を成功させるためには、売り手側企業の細かい調査が重要です。売り手側企業に負債がある場合や、債務超過があるケースでは、買い手側がすべて負担しなければならない場合もあるからです。
財務状況や労務、社内システムなど細かな調査をしておくことで、M&A後の経営統合もしやすくなります。
M&A戦略を成功させるためには、期待されるシナジー効果を定量的に数値化することが不可欠です。
売上高の増加やコスト削減といった効果を具体的な数値で算出することで、買収価格の妥当性を客観的に判断できるようになります。
数値化の際は、仕入れコストの低減や物流の効率化による「コストシナジー」だけでなく、クロスセルによる販路拡大などの「売上シナジー」も考慮します。
これらを精緻にシミュレーションしておくことで、投資対効果が明確になり、株主やステークホルダーへの合理的な説明が可能となります。また、統合後の目標値が明確になるため、PMI(経営統合プロセス)の指針としても機能します。
PMI((経営統合プロセス)とは、M&A成立後に異なる企業同士の組織体制や業務フロー、システム、企業文化を統合していく一連の作業を指します。
統合に向けた準備が遅れると、従業員の離職や現場の混乱を招き、期待していた買収効果が得られない恐れがあります。そのため、交渉段階から統合後の経営体制や人事評価制度、ITシステムの統合方針などを具体的に描いておくことが重要です。
あらかじめ明確なPMIのロードマップを策定しておくことで、統合直後の混乱を最小限に抑え、スムーズな経営のバトンタッチが可能になります。戦略的なPMI計画は、M&Aによる投資対効果を最大化させるための重要な鍵となります。
\成約例や支援の特徴・流れを紹介/
M&A戦略策定には、注意点もあります。注意点を把握しておかなくては、M&Aが失敗してしまう可能性もあるため、注意が必要です。ここでは、以下の注意点について詳しく解説します。
M&A戦略策定の際には、リスクを明確化しておくことが重要です。M&Aでは、買い手側にとっては売り手側企業の負債を負担しなければならないリスクや経営統合後に売り手側の企業にいた社員が新しい会社の社風になじめないということも考えられます。
そういったリスクを考慮して、M&A戦略を策定することが大切です。事前にリスクを明確にしておくことで、対策を立てることができるからです。
目的を見失わないということも大切です。M&Aに一生懸命になるあまり、手段と目的を取り違えないようにしましょう。
M&Aはあくまでも成長戦略の一環であり、自社が成長するための、あるいは生き残るための戦略です。M&Aを成功させることそれ自体が目的ではありません。
M&Aに関しては、スキームの選択も重要です。前述したとおり、M&Aのスキームはいくつかあります。目的に合わせてスキームを的確に選ぶことが重要です。
「M&Aといえば多くの会社が株式譲渡を選んでいるから」などという明確な理由がなくスキームを決めるのは良くありません。自社に合ったスキームを選んでください。
そもそも、M&Aが最適な戦略なのかということもあります。もし相手会社のリストアップ中であっても、M&Aが最適ではないと判断したのなら、一度検討しなおすことも必要でしょう。
ただし、M&A手間やコスト、時間がかかることから、M&Aを始める前にしっかり検討して、目的や意義を明確にすることが重要です。もし適切でないと判断をしたのなら、M&A以外の方法を考える必要があるからです。
M&A戦略策定のフローには、一番初めに自社分析があります。自社分析をする際に使用するのが、フレームワークです。ここでは、以下の5つのフレームワークを紹介します。自社分析をする際には、ぜひ参考にしてみてください。
SWOT分析では、4つの要素で自社の内部環境と外部環境を分析します。
4つの要素のそれぞれの頭文字を並べると、SWOTになるため、SWOT分析と呼ばれています。内部と外部それぞれの弱みと強みを分析するものであり、StrengthとWeaknessはどちらも内部環境です。
たとえば、営業には弱くても商品開発には強い、などになります。
OpportunityとThreatは、外部環境に対するもので、機会と脅威を表しています。たとえば、円安で輸入品目が高くなってしまい、商品価格を上げなければならなくなるのは売り上げが落ちてしまう可能性があるため、脅威になるでしょう。
流行に乗った商品をタイミングよく発売できれば、チャンスといえます。これら4つの要素をもとに内部環境と外部環境を分析することで、自社の経営環境を分析することができ、経営戦略を練ることが可能となります。
例えば、営業が弱くて商品の売り上げが上がらないというのなら、営業に強い、しっかりとしたノウハウのある会社がM&Aのターゲットとなるでしょう。
M&Aでは、PPM分析も使用されます。複数の事業を行っている多角経営の会社に向いているフレームワークであり、経営資源を投資するべき事業を見極めることができます。PPM分析では、会社を以下のポジションに分けることになります。
PPM分析では、「市場成長率」と「市場占有率(マーケットシェア)」を計算するものであり、上記の4つのカテゴリに分けることによって経営資源を投資すべき部分を意味付けるというものです。
| 市場占有率が高い | 市場占有率が低い | |
|---|---|---|
| 市場成長率が高い | 花形 | 問題児 |
| 市場成長率が低い | 金のなる木 | 負け犬 |
上の表からわかるように、花形の場合は市場成長率と市場占有率が高く、競争率は高いものの収益性は高くなるため、経済資源を投資して事業の拡大を行うことで成長が見込めるといえます。
金のなる木は市場の成長率が低いため競争も激しくなく、安定した収益を見込める事業です。競争率が高くないため、大きな投資は必要ないといえるでしょう。
問題児は市場占有率の低さから大きな収益は見込めず、競争率は高いといえます。そのため、積極的な投資を行っても大きな収益にはつながりにくいといえるでしょう。
負け犬は、その名のとおり利益が出ない部門です。投資どころか、M&Aの事業譲渡などを考えるのも一つの手段といえます。
アンゾフの成長マトリクスは、事業を成長させる方向性などを考えることができるフレームワークです。事業の成長を「製品」と「市場」に分けて考え、その2つをさらに「既存」と「新規」に分けて考えます。
全部で「市場浸透」「市場開拓」「製品開発」「多角化」の4つに分類することで、企業の成長戦略を知ることができるというフレームワークです。具体的には、下記の表を参考にしてみてください。
| 既存商品 | 新規商品 | |
|---|---|---|
| 既存市場 | 市場浸透 | 製品開発 |
| 新規市場 | 市場開拓 | 多角化 |
既存市場と既存商品を掛け合わせることで、既存商品への認知の向上や購買数の増加を狙うもので、既存商品の市場シェアを拡大することを成長戦略に持ってきているものです。
市場開拓は、既存の製品でありながら、新しい市場を開拓するものです。製品開発は、新規商品を開発して、既存市場へ投入する成長戦略といえるでしょう。
多角化は、新しい市場に新しい商品で挑むものであり、いわゆる新規事業への参入がこれにあたります。コストがかかる割には成功するかどうかはやってみなければわからない部分が多く、リスクが高い成長戦略です。
どの成長戦略を行うべきか迷っている、という人は、アンゾフの成長マトリクスを試してみるのもおすすめです。
バリュー・チェーン分析は、マイケル・ポーターが提唱している用語であり、分析方法です。原料を調達するところから流通・販売までの一連の流れを分けて、工程ごとに分析することが可能です。
主活動と呼ばれる分類方法であり、それぞれの工程が生み出している価値を分析することによって、自社分析だけでなく業務の効率化や競合他社の分析もできます。
バリュー・チェーンは、どの工程が価値を生み出しているのかを把握することができるのもメリットといえるでしょう。
また、人事や技術開発などといった企業を支える活動は支援活動に分類されます。自社の事業に関して強みや弱みを知りたい場合に使われる手法が、バリュー・チェーン分析です。
マイケル・ポーターの競争戦略は、どうすれば成功できるのかといった競争戦略を以下の3つに分類しています。
コストリーダーシップ戦略は、製造にかかるコストを低く抑えることによって、商品をどこよりも安く提供するための戦略です。
差別化戦略は、特別な商品やサービスを提供することによって他社と差別化を図り、価格が高くても顧客に選ばれやすくする戦略です。集中化戦略は、特定の顧客や市場に集中的に商品やサービスを提供する戦略になります。
\成約例や支援の特徴・流れを紹介/
ここではM&Aの成功事例と、それぞれのM&A戦略をご紹介します。
M&Aの事例については以下の記事でも詳しく紹介しています。
■関連記事:【最新版】大企業・中小企業、業界別のM&A事例40選
https://www.willgate.co.jp/ma-column/case-study/2030/
日本電産は、1973年に創業した電気製品メーカーです。日本電産の大きな特徴は、創業から11年後の1984年にアメリカの会社であるトリン社軸流ファン部門をM&Aで買収している点です。
もちろん、昔は日本ではM&Aはあまりいいイメージがなかったとはいっても全くなかったわけではありません。大手企業ならなおさら、M&Aをしているという企業は多くあります。
しかし、日本電産はアメリカの会社を買収して以降、約35年の間に国内外を合わせて67件ものM&Aを行い、成功させている点です。基本的には動くものや回るものをターゲットとしたM&Aを行っており、技術や販路を育てることに重点を置いています。
基本方針がブレないことが、日本電産の大きな戦略であるといえるでしょう。リーマンショックの際もM&A戦略で乗り切ったといわれるほどです。
M&Aの買収価格を少なくすることによってリスクを最小限の抑え、経営統合の後は社員教育やコスト削減を徹底的に行います。また、買収した会社とのシナジー効果を十分に検討したうえでの買収実施であり、実際に効果を上げている点もポイントといえるでしょう。
参照:https://masouken.com/M&A%E6%88%A6%E7%95%A5
株式会社ZOZOは、ファッションECの運営やファッションコーディネートアプリサービスの提供などを行っている会社です。買取や製造販売、受託販売、USED販売が主な事業内容であり、2019年にヤフーがM&Aで買収しています。
株式会社ZOZOの創業者は前澤氏で、2007年には東証マザーズ、2012年には東証第一部に上場したほどの勢いがある会社でした。ヤフーが買収することを発表した2019年の初めには減益をしていることもあり、M&Aにあまりよいイメージを持たなかった人もいるのではないでしょうか。
しかし、実際のところ創業者の前澤氏は、株式会社ZOZOの経営から退いた後の新しいチャレンジに意欲を燃やしており、イグジット戦略としては成功といえるのではないでしょうか。
参照:https://ma-succeed.jp/content/knowledge/post-2676#chapter-1
株式会社木曽路は、東海地方に15店舗を展開する「じゃんじゃん亭」の運営会社です。コロナ禍で売上が変動することによって自社ブランドの弱みを把握し、M&Aをすることによって弱い部分を強化することにしました。
事業拡大を視野に入れ、2021年には国産牛にこだわる焼き肉チェーンの大将軍を完全子会社化しています。夏に強い焼き肉店と冬に強いしゃぶしゃぶ店との提携は、季節による顧客の変動を抑え、食材調達などのコストも抑えることができるでしょう。
大将軍は、高級価格帯の「大将軍」、中級価格帯の「くいどん」を運営し、千葉県を中心に38店舗運営しているものの、業績は振るわすぐに。
独立系のファンド「刈田・DSG投資事業有限責任組合」や銀行券ファンドなどからも出資を受けている状態でした。そのため、このM&Aは売り手側にとっても買い手側にとっても成功であったといえるでしょう。
参照:https://ma-succeed.jp/content/knowledge/post-2676#chapter-1
1981年創業のソフトバンクは、携帯電話事業やエンタメ事業、インターネット事業などさまざまな事業を手掛けています。ソフトバンクは創業以来数々のM&Aを成功させています。
その中でももっとも有名なのは、アーム買収です。有名になった理由は、日本国内では最大の約3兆3000億円という金額での買収を行っているためです。
ソフトバンクがアームを買収した理由は、長期的な投資を行うことによって成長が見込めるから、というものでした。ソフトバンクのM&Aの特徴は、攻撃的なM&Aは仕掛けないというものです。
同じ目標に向かって一緒に努力をすることが大切だと考えていて、M&Aで一緒になった会社にもシナジー効果も存分に発揮されています。ソフトバンクの考え方に賛同する会社が集まって、多くのM&Aが成功を収めています。
参照:https://masouken.com/M&A%E6%88%A6%E7%95%A5
日立製作所は、日立グループの中核をなす企業であり、1920年に設立されています。主な事業内容は情報・通信システム、電子装置・システムセグメント製品の製造などが挙げられます。
日立グループ全体では会社数が約950社にのぼり、グループ全体では約40万人もの従業員が働いている巨大グループ企業です。M&Aに関してもいくつも行い、成功している点がポイントです。
主なM&A先としては、米IT企業のGlobalLogic(グローバルロジック)などがあります。こちらは買収になりますが、日立製作所は買収だけでなく事業の売却も行っています。2017年には子会社だった日立国際電気をKKRに売却するなどです。
売却によって日立製作所が得たものは、成膜プロセスソリューション事業であるKOKUSAIの独立です。日立国際電気から独立することによって、半導体製造装置業界で競争優位を築くことができます。
なおかつ経営に関して企業価値を意識することで大きく売り上げを伸ばしています。自社の強みと弱みを活かした、優れたM&A戦略といえるでしょう。
参照:https://batonz.jp/learn/13026/
ダイキンは、グローバル展開をするためにM&A戦略を行っています。2012年にはグッドマン社の買収に成功し、2018年には米中部の販売会社を買収するなど海外の企業も積極的にM&Aをしています。
基本的には販売網の弱い地域のM&Aを行うことで、販売網の強化を行っているといえるでしょう。そのため、M&Aを行うことによって海外販路を拡大しています。いわゆるクロスボーダーM&A戦略と呼ばれるもので、成長戦略の一環としてM&Aをとらえている事例といえるでしょう。
ダイキンは世界でもエアコンや空調事業、フッ素化学製品、換気製品などの分野で世界トップシェアを誇っている企業ですが、M&Aによる戦略が成功し、世界に躍り出た良い事例といえるでしょう。実際にダイキンの売上は海外が約7割を占めるほどであり、成長戦略のうまさがよくわかります。
参照:https://masouken.com/M&A%E6%88%A6%E7%95%A5
全国にドラッグストアや調剤薬局を展開する株式会社ココカラファインは、これまでいくつものM&Aを成功させてきました。
2017年には調剤薬局・ドラッグストアを展開する有限会社古志薬局、調剤薬局・訪問介護サービスなどを展開する株式会社シニアコスモス、レジャー用品、 日用雑貨を取り扱うチェーンストアのイズミヤ株式会社などのM&Aに成功しています。
ドラッグストア業界は特に競争環境が悪化していて、多くのドラッグストアが生き残りをかけたM&Aを行っているのが現状です。
その中でもココカラファインはM&A戦略によって順調に参加の店舗を増やし、2019年には同じくドラッグストア大手である株式会社マツモトキヨシホールディングスとの経営統合を行っています。
経営統合により国内で有する店舗は3,400店を超え、日本国内では業界No1となっています。M&Aのスキームは共同株式移転であり、経営統合によりマツキヨココカラ&カンパニーが発足しています。
参照:https://ma-succeed.jp/content/knowledge/post-2676#chapter-1
資生堂は、海外での販路を広げることを目的として、M&A戦略を行っています。2010年には、アメリカの化粧品会社を傘下に収めています。主なM&Aは買収側になるものの、売却を行っているケースもあります。
2021年には、会社分割によってCVCキャピタルパートナーズへ譲渡している点も注目したいところです。このM&A戦略で重要な点は、買収後の計画や体制について両社で徹底的に議論がなされているところです。
M&A戦略策定を買収前にしっかり行うことによって、買収後の混乱を最小限に抑えた良い事例といえるでしょう。
参照:https://batonz.jp/learn/13026/
サントリーもまた、大手企業の例にもれずクロスボーダーM&A戦略を行っています。海外に販路を広げるには、既に販路のある既存の会社をM&Aで傘下に収める方が速く、なおかつ一から販路を開拓するよりは低コストでできるからです。
サントリーは同業者である海外のビール・洋酒メーカーなどを買収することに成功し、順調にグローバル展開をしています。今後も海外企業のM&aを行うことで、さらに販路の拡大を目指しています。
参照:https://masouken.com/M&A%E6%88%A6%E7%95%A5
カクヤスグループは、無料配達などを行っている酒類を販売する企業です。カクヤスグループでは、商圏拡大のためと市場環境の変化に対応できるようにするために、地方の企業に対してM&Aを行っています。
2020年には福岡県の業務用酒販会社をM&Aによって子会社化し、「カクヤスモデル」の地方展開の第一歩としました。
コロナ禍で居酒屋などに卸す業務用の酒類販売が低迷したことを受け、逆にシェアを広げる好機としたのか、積極的なM&Aを行っています。
参照:https://ma-succeed.jp/content/knowledge/post-2676#chapter-1
塩野義製薬は、1990年代から同業種のM&Aを進めてきました。バイオ医薬品メーカーUMNファーマのM&Aに成功し、子会社化したのは2019年のことです。
同社の技術を用いて行ったのは、ワクチン開発でした。塩野義製薬は、ワクチンビジネスへの参入を希望していて、バイオ医薬品メーカーUMNファーマの買収直後にコロナ禍によるパンデミックが起こったのも、塩野義製薬のワクチンビジネス参入を早めることとなった一因です。
参照:https://ma-succeed.jp/content/knowledge/post-2676#chapter-1
株式会社ニトリホールディングスは、2018年に小樽の老舗旅館「銀鱗荘」の事業継承を行い、ブランド力の向上に役立てています。また、2020年には複数の企業との競争に勝つ形で島忠をTOB(株式公開買い付け)で子会社化することに成功しました。
島忠をニトリ方式にすることによって再生する計画を立てており、ともにブランド力に磨きをかけ、一緒に歩みたいとしています。一方的な押し付けではなく、再生計画をきちんと練ってからのM&A戦略といえる事例です。
参照:https://ma-succeed.jp/content/knowledge/post-2676#chapter-1
1997年に創業した楽天は、インターネットサービス「楽天市場」から始まった会社であり、M&A戦略によって大きく成長した会社でもあります。現在は多角経営を行っていて、「楽天経済圏」を確立しているのが楽天の特徴です。
「楽天経済圏」とは、楽天トラベルや楽天銀行などの事業で経済圏を確立し、その中で使える楽天ポイントを発行している事業共同体のことです。
これまで国内でM&Aを行ってきた楽天はモバイル通信事業、プロスポーツ事業などを吸収することによって創業5年目にして6,000店舗を突破したほどで、現在は海外への販路を拡充するべくクロスボーダーM&Aを積極的に行っています。
参照:https://masouken.com/M&A%E6%88%A6%E7%95%A5
人材派遣や人材紹介などを事業内容としているリクルートもまた、クロスボーダーM&A戦略を行っています。
海外に販路を拡大したいと考えている大手企業はほぼ一からすべてを構築するのではなく、クロスボーダーM&A戦略で既存の企業を吸収し、海外販路を拡大しています。
実際にリクルートも、2009年からはM&A戦略のターゲットを海外企業にのみ絞っているのが特徴です。リクルートのM&A戦略としては、「事業運営ノウハウを集約する」「多様な人材、従業員が活躍できる場を整える」などが挙げられます。
人材派遣をしている会社だけあって、特に「多様な人材、従業員が活躍できる場を整える」という点が重要といえます。
特にM&Aで買収した海外企業に対しては、日本で成功したビジネスモデルをもとに、「事業運営ノウハウを集約する」を実践し、海外60カ国で事業を展開するまでに成長しています。M&A戦略で成功した事例の一つといえるでしょう。
参照:https://masouken.com/M&A%E6%88%A6%E7%95%A5
株式会社PEAKSは、京都府に本社を置くスタートアップ企業になります。フードテクノロジーを主軸とする会社であり、創始者は金崎氏です。
株式会社PEAKSが買収したのは新潟県で100年続くみその製造、販売を担っている老舗味噌蔵元の山本味噌醸造場です。山本味噌醸造場は家族経営で続けてきたものの、後継者に関して悩みを抱えていました。
また、事業存続に関しても、外部の風を入れる必要性があると社長の山本氏は考え、M&Aを実行しています。地元に深く根付いた山本味噌醸造場は、スタートアップ企業であり、歴史の浅い株式会社PEAKSにとって新規事業参入を考えるにあたって魅力的なターゲットといえるでしょう。
また、事業継承に悩みを抱えている山本味噌醸造場にとっても株式会社PEAKSへの「会社譲渡」は、事業を存続させるために必要な決断だったといえます。双方合意のもとで円満な会社譲渡が行われた良い事例といえるでしょう。
参照:https://batonz.jp/learn/13026/
国内最大の流通グループであり、総合金融業、サービス専門店業も展開しているイオン株式会社も成長戦略としてM&A戦略を選択しています。
イオン株式会社は数多くの企業の買収に成功していて、各事業を強化している点が特徴です。例えば、株式会社ダイエーの子会社化や株式会社いなげやの連結子会社化、ウエルシアHDの経営統合などが挙げられるでしょう。
子会社のイオンフィナンシャルサービスが東芝ローンサービスを買収することによってより金融業が強化されたのも、M&A戦略成功の良い事例といえます。
参照:https://masouken.com/M&A%E6%88%A6%E7%95%A5
ソニーフィナンシャルホールディングスは、生命保険や損保を取り扱っているだけでなく、介護事業にも参入しています。M&A戦略としては、企業価値の向上が挙げられるのが特徴です。
介護事業に関しては、2013年にシニア・エンタープライズが運営する介護付有料老人ホーム「ぴあはーと藤が丘」などが買収されています。
介護事業では参入後もM&Aを積極的に活用し、事業拡大を行っていく考えです。介護事業に参入することによって、生命保険、損保事業などと併せて高齢者の生活を総合的にサポートすることができます。
ただし、ソニーフィナンシャルホールディングス自体もその後の2020年にはソニーがTOBを実施し、完全に子会社化をされています。
参照:https://masouken.com/M&A%E6%88%A6%E7%95%A5
無印良品をプライベートブランドに持つ良品計画は、日用雑貨業界でM&Aの仲介業者を通して積極的にM&Aを行っています。その他、資本提携なども行っており、一時期無印良品の商品は、ファミリーマートでも置いていました。
その後、売上は大きく伸びていたにもかかわらず、ファミリーマートとの資本提携が取りやめになったのは、両者の立ち位置の違いといえます。
現在ではローソンと契約を交わしていて、2021年には商品が置かれる店舗に100店舗を超えています。今後は、ローソン限定商品などが発売される可能性もあるでしょう。資本提携をすることによって、売上を上げることができた良い事例です。
参照:https://masouken.com/M&A%E6%88%A6%E7%95%A5
M&Aの戦略に関する相談なら、ウィルゲートM&Aがおすすめです。M&Aの戦略策定は、まったくM&Aを行ったことがない会社にとっては複雑で難しいものです。
M&Aの担当者は基本的にトップかトップに準じるような人材でなければならず、M&Aにかかりきりになってしまうとさまざまな場面で不具合が起きる可能性もあります。
また、時間と手間、コストをかけても必ず成功するとは限らない点も問題といえるでしょう。そのため、少しでも成功率を上げるのに専門家であるM&Aの仲介会社を頼ることをおすすめします。
ただし、着手金や固定費用がかかる仲介会社は、途中でM&aを辞めたり失敗してしまったりしたときにお金だけ支払うことになってしまうため、注意が必要です。
ウィルゲートM&Aなら着手金なしの完全成果報酬であるため、「先にお金を支払ったはいいけど本当に成功するかどうか不安」ということもありません。
買い手企業ネットワークは5,100社にも上るため、自社の条件にマッチングするターゲットを選択してくれるでしょう。交渉に関しても匿名で行ってくれるため、安心です。M&Aの戦略をしたいけどどうしていいかわからない、といった場合には、まずはウィルゲートM&Aへ相談してみてください。
本記事では、M&A戦略について詳しく解説してきました。M&A戦略を成功させるためには、M&A仲介業者のような専門家の協力が必要です。なぜなら、M&Aに関する深い理解と知識がなければ、戦略策定がうまくいかないからです。
相手企業に直接アプローチするのも、負担が大きくなります。そのため、着手金なしで相談料無料のウィルゲートM&Aへ、まずは一度ご相談ください。
ウィルゲートM&Aは、事業売却の仲介実績が豊富で、9,100社以上の会社と独自のネットワークを形成しているM&A仲介会社です。完全成功報酬型で相談料や着手金も無料なので、これから新設分割やM&Aを検討している方は、ぜひウィルゲートM&Aにお問い合わせください。
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