M&A補助金はいくら?上限の金額や補助率、申請要件を解説

M&A補助金はいくら?上限の金額や補助率、申請要件を解説

M&A補助金とは、中小企業庁が公表する「事業承継・M&A補助金」(旧称:事業承継・引継ぎ補助金)を指す通称であり、中小企業のM&Aや事業承継を支援する制度です。この補助金は、事業の引継ぎに伴う専門家への手数料や設備投資、M&A後の経営統合(PMI)にかかる費用など、幅広い経費の負担を軽減することを目的としています。

本記事では、M&A補助金の具体的な金額や補助率、支援枠ごとの対象経費、申請要件について詳しく解説します。

\成約例や支援の特徴・流れを紹介/

M&A補助金(事業承継・M&A補助金)でいくらもらえる?まずは結論から解説

M&A補助金(事業承継・M&A補助金)でいくらもらえる?まずは結論から解説
M&A補助金(事業承継・M&A補助金)でいくらもらえる?まずは結論から解説

M&A補助金における「専門家活用枠」の補助上限額は、公募回次・類型により異なりますが、概ね600~800万円が基本レンジです(回次により「800万円以内」と示される場合があります)。この枠はM&Aの専門家費用を対象としています。

補助率は類型・要件により異なり、売り手支援類型は1/2または2/3、買い手支援類型は1/3・1/2・2/3の区分が設けられています(回次により詳細は変動)。

具体的な受給額は、利用する支援枠や申請する経費の種類によって異なります。

M&A補助金の補助上限額と補助率の一覧

M&A補助金の補助上限額と補助率の一覧

事業承継・M&A補助金は、公募回次によって詳細な要件が変更される可能性があるため、申請を検討する際には最新の公募要領を確認することが重要です。直近の9次、10次、11次公募を参考にすると、補助金の体系は主にM&Aのフェーズに応じて複数の支援枠で構成されています。

ここでは、基本的な補助上限額と補助率の全体像を解説し、自社の状況にどの支援が合致するかの判断材料を提供します。

補助率は原則費用の1/2、特定の条件を満たせば2/3に増額

M&A補助金の補助率は、対象となる費用の合計額に対して原則1/2と定められています。

例えば、対象経費として400万円を支出した場合、その半分の200万円が補助される計算です。ただし、申請者が一定の要件を満たす場合には、補助率が2/3へと引き上げられる優遇措置が設けられています。

この特例が適用されるのは、申請時点の決算で赤字である場合や、最低賃金が地域別最低賃金に比べて一定水準以上である場合などです。これにより、経営環境が厳しい事業者でも手厚い支援を受けやすくなっています。

補助上限額はM&Aの専門家費用を対象とする枠で最大600万円

M&A補助金の各支援枠の中でも、特にM&Aの実行に直接関連する専門家への費用を対象とする「専門家活用枠」では、補助上限額が最大600万円に設定されています。この枠は、M&A仲介会社やファイナンシャルアドバイザー(FA)へ支払う仲介手数料や、デューデリジェンス(企業調査)費用、企業価値評価の費用などが補助対象です。

ただし、補助される金額は、実際に支払った経費と補助率に基づいて算出されるため、必ずしも上限額が満額支給されるわけではありません。

賃上げ要件の達成で補助上限額が800万円に上乗せされる

(専門家活用枠) 補助上限は類型・回次により600~800万円が基本です。加えて、買い手支援類型には、所定の要件を満たす場合に上限2,000万円となる「100億企業特例」が設けられる回次があります(ただし回次によっては対象外)。

(事業承継促進枠/PMI推進枠の一部) 一定の賃上げを実施する場合に、補助上限が1,000万円に引き上がる整理が示されています。

【4つの支援枠別】M&A補助金の受給額と対象経費の詳細

【4つの支援枠別】M&A補助金の受給額と対象経費の詳細

M&A補助金、正式名称「事業承継・M&A補助金(旧称:事業承継・引継ぎ補助金)」は、中小企業の多様なニーズに対応するため、主に4つの支援枠で構成されています。M&Aの専門家費用を支援する「専門家活用枠」のほか、事業承継後の設備投資を支援する「事業承継促進枠」、M&A後の統合プロセスを支援する「PMI推進枠」、そして円滑な廃業を支援する「廃業・再チャレンジ枠」です。

自社の状況や計画に合わせて最適な枠を選択することが重要であり、ここでは各枠の受給額と対象経費を詳しく解説します。

専門家活用枠:M&Aの仲介手数料やFA費用が対象(上限600万円)

専門家活用枠は、M&Aや事業承継を進める際に必要となる専門家への依頼費用を補助する制度です。
この枠は、株式譲渡や事業譲渡を行う「売り手」と、譲り受ける「買い手」の双方が利用できます。

主な補助対象経費は、M&A支援機関登録制度に登録されたM&A仲介会社やFA(ファイナンシャルアドバイザー)に支払う仲介手数料、デューデリジェンス費用、企業価値評価費用などです。
補助上限額は原則600万円(回次により800万円以内)で、補助率は原則1/2です。
デューデリジェンス費用は、専門家活用枠の上限内で最大200万円まで補助対象となります。
廃業費用(最大150万円)は別枠(廃業・再チャレンジ枠)での申請となり、専門家活用枠と併用する場合に限り総額が増加します。

関連記事:M&A仲介会社への手数料の相場はいくら?各社の報酬を比較解説
https://www.willgate.co.jp/ma-column/knowledge/1365/

事業承継促進枠:事業承継に伴う設備投資や販路開拓費用が対象

事業承継促進枠は、親族内承継やM&Aによって事業を引き継いだ後継者が、経営革新に取り組む際の費用を支援することを目的としています。具体的には、生産性向上のための新たな設備投資や、店舗・事務所の改修費用、新商品や新サービスの開発費用、ECサイト構築などの販路開拓費用などが補助対象です。

この枠は、単に事業を引き継ぐだけでなく、承継を機に新たな成長を目指す取り組みを後押しするものであり、事業の付加価値向上を図る場合に活用が期待されます。

PMI推進枠:M&A成立後のシステム統合費用などが対象

PMI推進枠は、M&A成立後に行われる経営統合プロセス(PostMergerIntegration)にかかる費用を補助する制度です。M&Aの成功は、契約締結後、双方の事業をいかに円滑に統合できるかにかかっています。

この枠では、経営理念のすり合わせや組織文化の融和、人事・給与制度の統合、情報システムの連携など、PMIの実行に必要なコンサルティング費用や研修費用などが補助対象となります。M&A後のシナジー効果を最大化し、統合をスムーズに進めるための重要な支援策です。

廃業・再チャレンジ枠:事業の廃業にかかる費用が対象

廃業・再チャレンジ枠は、事業承継やM&Aを検討したものの交渉が成立せず、やむなく事業の廃業を選択する経営者を支援する制度です。具体的には、廃業手続きを行政書士などに依頼する費用や、在庫・設備の廃棄費用、借用していた店舗や事務所の原状回復工事費用などが補助対象となります。

この枠は「専門家活用枠」と併用して申請することも可能であり、事業の一部を譲渡し、残りの事業を廃業するといったケースにも対応します。経営者の円滑な退出と再起を後押しします。

M&A補助金の計算対象となる経費とならない経費

M&A補助金の計算対象となる経費とならない経費

M&A補助金を申請するにあたり、どの費用が補助の対象となり、どの費用が対象外なのかを正確に把握することが極めて重要です。対象経費の合計額が補助金額を算出する基礎となるため、範囲を誤解していると想定していた額を受け取れない可能性があります。

補助金の交付を受けるためには、経費の使途を証明する書類の提出も求められるため、事前の確認が不可欠です。ここでは、補助金の計算対象となる経費の具体例と、対象外となる経費の注意点を解説します。

補助金の対象となる経費の具体例

補助金の対象となる費用は申請する支援枠によって異なりますが、主にM&Aや事業承継のプロセスで発生する専門的なサービスや、事業成長に直結する投資に関連するものが中心です。

例えば、専門家活用枠では、M&A仲介手数料、デューデリジェンス費用、企業価値評価費用、法務・税務アドバイザリー費用などが挙げられます。事業承継促進枠では、設備投資や販路開拓のための広報費、PMI推進枠ではシステム統合費用、廃業・再チャレンジ枠では在庫廃棄や原状回復にかかる費用が対象となります。

補助金の対象外となる経費の注意点

補助金の対象とならない費用の代表例として、汎用性が高く他の目的にも使用できるパソコン、タブレット、スマートフォンの購入費が挙げられます。また、株式や事業そのものの購入代金であるM&Aの取引対価や、不動産・車両の購入費用も対象外です。

このほか、公的な手続きにかかる印紙代や、セミナーの参加費、従業員への給与、交際費、飲食費なども補助の対象にはなりません。申請する際は、これらの対象外費用を事業計画から除外して補助金額を計算する必要があります。

M&A補助金の申請から受給までの基本的な流れ

M&A補助金の申請から受給までの基本的な流れ

M&A補助金の申請から受給までは、複数のステップを踏む必要があり、計画的な準備が不可欠です。
まず、電子申請に必須となる法人・個人事業主向けの共通認証システム「gBizIDプライム」のアカウントを取得します。

次に、定められた公募期間内に、事業計画書などの必要書類を揃えて電子申請システムから申請を行います。採択決定後、計画に沿ってM&Aや設備投資などを実行し、事業が完了したら実績報告書と経費の証拠書類を提出。事務局による確定検査を経て最終的な補助金額が確定し、指定口座に振り込まれます。

補助金は後払いである点に注意が必要です。

M&A補助金に関するよくある質問

M&A補助金の活用を検討する中で、多くの経営者が共通の疑問を抱きます。例えば、補助金が具体的にいつ振り込まれるのか、自社の経営状況で申請が可能なのか、また専門家のサポートはどこまで受けられるのかといった点です。

助成金と異なり、補助金は採択件数や予算に上限が設けられているため、申請前にこれらの疑問点を解消しておくことが、スムーズな手続きと採択の可能性を高める上で重要です。ここでは、M&A補助金に関してよくある質問とその回答をまとめました。

M&A補助金はいつもらえるのですか?

補助金は、申請後にすぐもらえるものではなく、後払いが原則です。
補助事業として計画したM&Aや設備投資などを全て完了させ、事務局に実績報告書を提出します。

その後、内容の検査を経て補助金額が確定し、指定口座に振り込まれるため、資金繰りには注意が必要です。

赤字決算の企業でもM&A補助金を申請できますか?

赤字決算の中小企業でも補助金の申請は可能です。経営状況が厳しいことが直接的な不採択理由となるわけではありませんが、審査においては事業計画の実現可能性や妥当性、財務改善の見込みが重視されます。

M&A仲介会社に補助金申請のサポートを依頼することは可能ですか?

可能です。多くのM&A仲介会社やコンサルティング会社が、事業計画の策定支援など補助金申請のサポートサービスを提供しています。

ただし、申請手続きそのものは事業者が主体となって行う必要があります。専門家と連携することで、採択の可能性を高めることが期待できます。

まとめ

M&A補助金(事業承継・M&A補助金(旧称:事業承継・引継ぎ補助金))は、M&Aや事業承継にかかる費用負担を軽減するための重要な制度です。

専門家費用などを対象とする「専門家活用枠」では、補助上限額が最大600万円(賃上げ要件を満たすことで800万円、特定の費用申請により最大950万円まで引き上げられる場合がある)とされており、補助率は原則1/2(条件により2/3)の支援が受けられます。

このほか、設備投資やPMI、廃業を支援する枠も用意されており、自社の計画に応じた選択が可能です。補助金は後払いであるため、申請から受給までの流れを正しく理解し、計画的に準備を進めることが求められます。

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