会社を解散して清算するときにはさまざまな手続きや費用がかかります。会社を経営している人でも解散や清算の経験を持った方は少ないので、会社をやめようと思ってからどのように進めていいかがわからない方も多いでしょう。
この記事では、会社解散や清算の流れについて詳しく解説していきます。会社の解散・精算を検討されている方はぜひ確認ください。
\成約例や支援の特徴・流れを紹介/
会社の解散とは、会社を廃業することをいいます。事業の業績が悪化したり、経営者が高齢化したり、後継者が見つからなかったりといった理由で、事業活動を続けることが難しくなった場合に、会社を解散し廃業します。解散は法的には、法人格を消滅させることを指します。会社の解散は、倒産や破産、または自主的に廃業するかは問いません。
会社の清算とは、会社が解散してから会社が抱える債務や貸付金などの債権債務を整理する手続きをいいます。会社の清算は、債権者を守るため、解散のあとに行います。会社の解散手続きを進めても、債権債務の手続きが終わるまでは、会社を消滅させることができません。会社の財産や株式などを現金化して、債権者に分配するなど会社の清算手続きがすべて完了してから会社を廃業できます。
会社清算は、経営者にとって一つの選択肢になりますが、メリットもデメリットもあります。会社の業績が悪化した、後継者が見つからない、など、今後も事業活動を行うことが困難になった場合、会社を解散し生産するほかにも会社休眠やM&Aなど方法も検討できるでしょう。自社にとってもっともベストな選択をするためにも、会社清算のメリットデメリットをきちんと把握しておきましょう。
会社清算のメリットは、さまざまな理由で会社を清算できる点です。会社法では7つの事由があれば会社清算を行えると定められています。後ほど詳しく紹介しますが、この7つの事由に当てはまる解散の原因があれば会社を清算できます。
また、会社清算をすると法人税など税金の納付義務がなくなることもメリットといえるでしょう。
会社清算のデメリットは、解散・清算するときに費用がかかる点です。さまざまな手続きの際に登記免許税や官報広告費用などが必要です。また清算の手続きを弁護士や会計士などに依頼する場合、別途報酬がかかります。さらに会社清算にともない資産を売却すると、消費税の納税義務が発生するケースもあります。会社の清算には、少なくとも数十万円程度のお金が必要と覚えておきましょう。
会社清算には、通常清算と特別清算の2つの種類があります。詳しく解説します。
会社が解散して、抱えている負債をすべて返済できる場合に行われるのが通常清算です。会社の債権や財産、株式などを現金化し、銀行や株主などの債権者にすべて支払える自主的な清算になります。通常清算の場合、経営者が解散、清算を決めてから株主総会で議決され、清算人を選定して清算手続きに入ります。
債務をすべて会社で清算できない場合、特別清算の手続きを取ります。特別清算は会社が債務超過に陥っている、つまり会社の債権や資産より債務が上回っていて自力では清算できない状態のときに行います。特別清算は、債権者や清算人、監査役、株主の申立てにより裁判所の監督のもと行われます。特別清算は、自主的な会社の解散ではなく倒産になります。
会社の解散や清算をするための条件が会社法で定められています。これらの理由に該当する原因があれば会社を解散できますが、なにも理由なく会社を解散することはできません。
会社の解散、清算するための条件を確認しましょう。
会社の定款に、会社の存続期間が定められていた場合、会社を清算できます。
定款に会社を解散できる目的や、理由などが記されていた場合です。
株主総会で会社の解散を決議されると会社の解散、清算手続きに入れます。
他社と合併することで会社が消滅する場合です。
裁判所への破産を申立て、破産手続き開始が決定した場合、会社の解散・清算が行えます。
何らかの事由で裁判所から解散命令があった場合です。
最後の登記から12年過ぎている株式会社を休眠会社といいます。事業活動をしていない休眠会社には法務局から通知が行き、これに対して期限内に事業を廃止していないことを証明する届出をしないと、会社は解散したものとみなされ、清算手続きが行えます。
一般的には、株主総会で会社解散・清算を決議してから、清算手続きに入るケースがもっとも多くなります。
\成約例や支援の特徴・流れを紹介/
特別清算ではなく通常清算の場合の会社の解散から清算手続きの流れを、一つ一つ詳しくみていきましょう。
株式会社が会社を解散しようとする場合、株主総会で解散に関して決議できます。解散決議は、議決権を持っている過半数以上の株主が出席する必要があります。さらに、出席した株主の3分の2以上の賛成があった場合、会社解散は可決されます。株主総会で解散が議決されたあとに、清算人を選任する場合もあります。
一般的には、解散するときに取締役だった人、または代表取締役がそのまま清算会社の清算人に就任するか、弁護士などが担当します。
解散と清算人が決定したあとは、速やかに会社の本店がある所在地で解散登記を行わなければいけません。解散登記は、解散が決定してから2週間以内と定められています。登記には、解散すること、その事由、解散の年月日などを記します。
解散の届出は、登記だけではありません。解散登記が済んだら、所轄の税務署や都道府県の税事務所、また市町村の役所にも解散の届出を行う必要があります。さらに社会保険事務所、ハローワークにも解散の届出を行います。また、社員を雇用していた場合、会社解散によって解雇しなければいけないため、労働局または労働基準監督署や社会保険事務所への届け出も行います。
清算会社の清算人は就任したあと、会社の財産をすべて調査し、財産目録と貸借対照表を作成しなければいけません。そして作成した財産目録及び貸借対照表は、清算会社での株主総会において株主に報告し、承認を得る必要があります。
清算人は、会社解散を官報公告で知らせなければいけません。官報は国が発行している機関紙で、一般に広く国の広報や法律公布などを伝えるためのものです。官報で債権者に会社の解散を知らせ、2カ月間以上の一定期間内に届出を行うよう求めます。また清算会社が把握している債権者がいる場合は、個別に連絡をし催告する債権者保護手続きを行います。
会社解散は官報に必ず掲載しなければならず、申込みは全国の官報販売所で行えます。
清算会社は解散した日から2カ月以内に、事業年度の開始日から解散日までの法人税の確定申告を税務署に行う必要があります。確定申告の税金は、会社が在庫を多く抱えているとその分高くなってしまいます。従って、税負担を少しでも軽くするために、確定申告を行う以前になるべく抱えている在庫を買い取ってもらったり処分したりなどの作業をするべきでしょう。
清算人が会社の債権を回収、棚卸資産や固定資産など残っている会社の財産を調べ、会社の債務すべて支払い、残ったものは現金化します。債務弁済をして余った財産は株主へ分配します。
すべての債権や債務の処理が終わり、財産が確定してから1カ月以内に税務署に清算確定申告を行います。もし所得があれば、このときに納税します。
すべての清算業務が完了したら、清算人はすみやかに決算報告書を作成します。その後、株主総会を開いて決算状況を報告し、決算報告書の承認を受けます。
株主総会で清算の承認を受けたら2週間以内に、法務局に清算結了の登記申請を行う必要があります。この登記をもって会社の登記が閉鎖となります。
清算結了の登記完了後に、税務署などの各種機関へ解散の届出を行います。異動届出書や登記事項証明書など、会社が解散したことを証明できる書類を用意し、都道府県税事務所、税務署、市区町村役場、社会保険事務所、労働基準監督署などの公的機関に届け出ます。
必要な書類は各機関によって異なるので、事前に確認して準備しましょう。
会社が解散したあとに、官報に解散したことを公告しなければなりません。この公告の掲載は、最低2カ月以上必要です。これは、会社法により債権者保護手続きが2カ月以上要すると決められているからです。そのため、解散公告を掲載してから2カ月間は少なくとも清算は結了できません。会社解散から清算まで2カ月以上の期間が必要です。
会社の解散や清算にかかる費用を詳しく解説します会社が消滅するまでにはさまざまな手続きが必要になり、それぞれ費用が生じます。会社を清算する前に、それらの費用がかかることを念頭に置いて、債権債務の整理を進めるようにしましょう。
登記を行うときに登録免許税がかかります。解散、清算に関する登記は3つあります。1つ目は解散登記です。会社の解散が決定してから2週間以内に解散登記をしなければなりません。解散登記は法人の場合30,000円です。
続いて清算する会社で清算人を選任した場合も登記する必要があります。清算人が、清算会社の取締役や代表取締役の場合でも、指定された期間内に清算人登記を行わなければなりません。清算人登記の登記免許税は9,000円になります。
清算会社の清算が終了したときも、清算結了登記をしなければなりません。清算完了登記の登録免許税は2,000円かかります。
清算会社の解散と債権申出に関する事項を官報に公告する費用は、1行につき税込で3,589円です。解散公告が一般的に9~11行ほど使用するので、官報の広告費用は約32,300~39,500円程度必要です。
手続きに必要な証明書を揃えるためには費用がかかります。会社解散に必要な書類は、商業・法人登記情報、登記事項証明書などで、会社の情報を得るために用意します。商業・法人登記情報は1通334円、登記事項証明書は2通で960〜1,200円ほどかかり、必要書類を取り寄せるための郵送代金もかかります。また、会社解散を決定したり、清算が終わったことを報告したりする株主総会を開催する費用も必要です。こちらは数万円~数十万円ほどかかる場合があります。
会社解散の手続きを進めるときに、弁護士や司法書士、税理士などの専門家に依頼する場合もあります。専門家への報酬は、解散する会社の規模や内容などによっても変わりますが、数万円~数十万円必要でしょう。一般的に、解散や清算結了の登記を司法書士に依頼する場合は約8万円~12万円、確定申告などの手続きを税理士に依頼する場合は約8万円~数十万円かかります。
会社の解散や清算にかかる税金は、法人税、地方税、所得税、消費税、固定資産税などです。また会計処理は、貸借対照表の作成や債権回収、債務の支払い、確定申告、決算報告書の作成などになります。
税務署に提出する書類の一覧です。
清算が結了したときに税務署に提出します。
会社が給与支払事務所である場合に提出が必要になる書類です。
履歴事項全部証明書のコピーを提出します。
解散の日の翌日から2カ月以内に、事業年度の開始の日から解散の日までの確定申告を行ったものを提出します。
会社の解散の日の翌日から1年以内に残っている財産が確定、清算結了している場合は、清算中の確定申告は必要ありません。
清算結了し、登記が完了したあとに提出するものです。
会社を清算する以外の選択肢としてM&Aがあります。M&Aは仲介会社に依頼してベストなマッチング先を見つけてもらうのとスムーズに成立する場合が多くあります。
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会社解散と清算には、さまざまな手続きと費用が必要です。専門家に依頼する場合は、それなりの費用がかかると考えた方がいいでしょう。通常清算できる企業ならM&Aを選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。
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