
株式譲渡は、M&A(企業の合併・買収)において最も広く用いられる手法です。
会社の経営権を動かすこの手続きは、特に中小企業の事業承継や成長戦略の実現において重要な選択肢となります。
本記事では、株式譲渡の基本的な仕組みから、混同されやすい事業譲渡との違い、そして売り手・買い手双方のメリット・デメリットを詳しく解説します。
さらに、実際の手続きの流れや課される税金についても網羅し、M&Aを検討する企業が知っておくべき知識を提供します。M&Aの目的、手法、流れなどについては「M&Aとは?M&Aの目的、手法、流れなどをわかりやすく解説」で詳しく紹介しています。
\成約例や支援の特徴・流れを紹介/

株式譲渡とは、対象会社の株主が保有する株式を第三者に売却することによって、会社の経営権を移転させるM&A手法を意味します。
株式譲渡では、対象会社の株主が交代するだけで、会社自体の法人格は存続します。そのため、会社が保有する資産・負債や、従業員・取引先との契約関係は対象会社にそのまま残ります。買い手は対象会社の株式を取得することで、その会社の経営権を得ることになります。
手続きが比較的シンプルであるため、特に非上場の中小企業や、発行株式に譲渡制限を設けている非公開会社のM&Aで広く利用されています。この手法についてわかりやすく理解するには、会社という乗り物の運転手ではなく、所有者が交代するイメージを持つと良いでしょう。

株式譲渡と事業譲渡は、どちらもM&Aの手法ですが、その目的や手続き、影響範囲は大きく異なります。
両者の特性を正しく理解することは、自社の状況に最適なM&A戦略を立てる上で不可欠です。ここでは、譲渡対象の範囲、契約関係の承継、手続きの複雑さ、そして課税関係という4つの主要な観点から、両者の違いを明確に比較・解説します。
事業譲渡と株式譲渡の違いについては「事業譲渡と株式譲渡の違いとは?メリット・デメリット」で詳しく紹介しています。
株式譲渡と事業譲渡の最も基本的な違いは、譲渡対象の範囲にあります。
株式譲渡では、会社の株式そのものが売買の対象となり、会社の資産や負債、従業員、契約関係、ブランドといった全ての要素が包括的に買い手へ移転します。一方、事業譲渡は、会社が行う事業の一部または全部を対象とし、土地、建物、機械設備、従業員、取引先、知的財産権といった事業に関連する資産や権利を個別に選択して売買する手法です。
そのため、特定の事業だけを切り出して取引したい場合に用いられます。
契約や許認可の承継方法も、両者で大きく異なります。
株式譲渡の場合、会社の株主が変更されるだけで法人格は維持されるため、会社が保有する許認可や従業員との雇用契約、取引先との契約は原則としてそのまま買い手に引き継がれます。親会社が変わるだけで、個別の手続きは基本的に不要です。
これに対し事業譲渡では、譲渡対象の事業に関する契約や許認可は自動的に承継されません。そのため、取引先との契約を改めて結び直したり、行政から必要な許認可を再取得したりする手続きが必要になります。
手続きの複雑さとそれに要する期間にも差があります。
株式譲渡は、株主総会での承認や株式譲渡契約の締結、株主名簿の書き換えといった会社法に基づく手順が中心となり、比較的シンプルに進めることが可能です。そのため、当事者間の合意形成がスムーズに進めば、短期間での完了も期待できます。
一方、事業譲渡は、譲渡する資産や負債を一つひとつ特定し、財産目録を作成した上で、個別の移転手続きや契約の再締結が必要となるため、手続きが煩雑化しやすく、株式譲渡に比べて長い期間を要する傾向にあります。
課税関係も重要な比較点です。
株式譲渡において、売り手が個人の株主である場合、株式の譲渡所得に対して所得税、復興特別所得税、住民税を合わせて約20%が課税されます。一方、事業譲渡では、売り手企業に譲渡益に対する法人税が課されるほか、買い手企業には課税資産に対する消費税や不動産取得税などが課税されます。
このように、事業譲渡は複数の税金が関係するため、税務が複雑になりがちです。
どちらの手法が税務上有利になるかは、企業の状況によって異なります。

会社の売却を検討する経営者にとって、株式譲渡は多くのメリットを提供する手法です。
手続きの簡便さから、創業者利益の獲得、税負担の軽減に至るまで、その利点は多岐にわたります。
ここでは、売り手側の視点から株式譲渡がもたらす4つの主要なメリットを解説し、なぜこの手法が多くのM&Aで選択されるのか、その理由を明らかにします。
これにより、経営者は自社の将来を考える上で有益な情報を得ることができるでしょう。
M&Aの売却価格の決め方や手続き、メリットについては「M&Aの売却とは?売却価格の決め方や手続き、メリットを徹底解説」で詳しく紹介しています。
株式譲渡の最大のメリットの一つは、手続きがシンプルで迅速に進められる点です。事業譲渡のように、資産や負債を個別に移転したり、取引先との契約を一つひとつ結び直したりする必要がありません。
基本的な手順は、譲渡承認手続き、株式譲渡契約の締結、対価の決済、株主名簿の書き換えとなり、当事者間の合意がまとまれば短期間でのクロージングが可能です。特に、オーナー経営者が自らの株式を譲渡する場合、意思決定が速やかに行えるため、この方法はM&Aを円滑に進める上で非常に有効です。
株式譲渡では、会社の株主が変わるだけで、会社そのものは法人格を維持したまま存続します。
これにより、会社が長年培ってきた歴史や文化、ブランドイメージを損なうことなく、次の経営体制に引き継ぐことが可能です。
また、従業員の雇用契約や取引先との関係もそのまま維持されるため、事業運営への影響を最小限に抑えられます。
M&A後も事業が安定して継続されることは、従業員や取引先の安心につながり、その後の円滑な経営を実現する上で大きな利点となります。
オーナー経営者にとって、株式譲渡は創業者利益を現金で獲得する機会となります。
自身が創業し、育ててきた会社の株式を売却することで、その成長に見合った金銭的な対価を得ることが可能です。
この譲渡所得とは、株式の売却価格からその株式を取得した際の費用やM&A仲介手数料などを差し引いた利益部分を指します。
この対価を元手に、経営者は新たな事業への挑戦や、引退後の生活資金として活用するなど、多様な選択肢を手にすることができます。
税制面でのメリットも大きい要素です。
個人株主が株式を譲渡した場合、その株式譲渡所得に対して課される税金は、所得税・住民税などを合わせて約20%の分離課税で済みます。
これは、事業譲渡によって会社に譲渡益が出た場合に課される法人税の実効税率(約30%)よりも低い税率です。
さらに、事業譲渡の場合は会社が得た利益を株主個人が受け取る際に配当所得課税が別途発生するため、個人オーナーが株式を売却する場合、事業譲渡後に法人から個人へ資金を移すケースと比べ、税負担を抑えられることがあります。

株式譲渡は多くのメリットがある一方で、売り手にとって考慮すべきデメリットも存在します。
特定の事業だけを残すことができない制約や、すべての株主からの同意形成の難しさなど、事前に理解しておくべき課題があります。
これらのデメリットを把握しないまま進めると、交渉が難航したり、期待した条件での売却が実現しなかったりする可能性があります。
ここでは、売り手が直面しうる3つの主なデメリットを解説し、M&Aの意思決定における注意喚起を行います。
株式譲渡は、会社全体を包括的に譲渡する手法であるため、特定の事業だけを切り離して売却することはできません。例えば、複数の事業を展開している会社が、好調な主力事業は手元に残し、不採算事業のみを売却したいと考えても、株式譲渡ではそれが不可能です。
会社を丸ごと譲渡する必要があるため、残したい事業がある場合には、事業譲渡を選択するか、事前に会社分割を行って事業を別会社に移すなどの対応が必要になり、手続きが複雑化する可能性があります。
会社の全株式を譲渡するためには、原則として全株主から株式を買い取る必要があります。
特に、株式が親族や従業員などに分散している中小企業の場合、すべての株主から譲渡の同意を取り付ける作業は大きな負担となり得ます。一人でも反対する株主がいれば、100%の株式譲渡は成立しません。
少数株主との交渉が難航し、M&Aのプロセス全体が遅延するリスクや、最悪の場合、取引が破談になる可能性も考慮に入れるべき要件です。事前の株主構成の整理が重要になります。
株式譲渡では、買い手は会社の資産だけでなく、負債や不採算事業、さらには帳簿に記載されない簿外債務といったリスクもすべて引き継ぐことになります。そのため、買い手はデューデリジェンスの過程でこれらのリスクを厳しく評価します。
もし、深刻なリスクが発見された場合、買い手はそのリスクを織り込んで譲渡価格の引き下げを要求することがあります。ただ、好調な事業と不採算事業がある会社の場合、全体として評価が低くなり、期待していた売却価格に届かない可能性がある点に注意が必要です。
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株式譲渡は、事業の拡大や新規市場への参入を目指す買い手企業にとっても、多くの戦略的メリットをもたらします。
会社の経営権を完全に掌握できることに加え、事業運営に必要な許認可や契約関係をスムーズに引き継げる点は大きな魅力です。ここでは、買い手側の視点から株式譲渡の主な3つのメリットを掘り下げ、M&Aを成長戦略の一環として検討する企業にとって、なぜこの手法が有効なのかを解説します。
株式譲渡を通じて、買い手は対象会社の経営権を直接的に取得できます。
発行済株式の過半数(50%超)を取得すれば取締役の選任など普通決議をコントロールでき、3分の2以上を取得すれば定款変更や合併といった重要事項を決定する特別決議を支配できます。
さらに、100%の株式を取得すれば完全子会社化し、迅速な意思決定やグループ全体での戦略実行が可能になります。
この直接的な支配力の確保は、買収後の事業運営を円滑に進める上で極めて重要です。
買い手にとって大きなメリットは、事業運営に必要な許認可や、取引先・従業員との契約関係をそのまま引き継げる点です。
事業譲渡の場合はこれらの再取得や再契約に多くの時間と手間がかかりますが、株式譲渡では法人格が存続するため、手続きが不要です。
特に、建設業や人材派遣業など、許認可の取得が事業継続の前提となる業種では、このメリットは計り知れません。
買収後すぐに事業を継続できるため、機会損失のリスクを最小限に抑え、スムーズな経営移管が実現できます。
株式譲渡によって会社を子会社として買収した場合、その法人格は維持されるため、すぐに親会社と組織を一体化させる必要がありません。
これにより、買収後の統合プロセス(PMI)を段階的に、かつ慎重に進めることが可能になります。
売り手企業の独自の企業文化や従業員の労働環境を尊重しながら、時間をかけてシナジーを創出していくことができます。
急激な変化による従業員の離反やモチベーション低下といったリスクを避け、円滑な組織融合を図れる点は、長期的な成功の鍵となります。

買い手にとって魅力的な株式譲渡ですが、同時に無視できないリスクも内包しています。
特に、帳簿上は見えない「簿外債務」を引き継いでしまう可能性は最大の懸念点です。
また、買収に必要な資金が多額になりやすいことや、全株式の取得が困難なケースも存在します。
これらのデメリットを軽視すると、買収後に想定外の損失や経営上の困難に直面しかねません。
ここでは、買い手が株式譲渡を進める際に直面する3つの主なデメリットと、その対策について解説します。
株式譲渡における買い手の最大のリスクは、貸借対照表に記載されていない「簿外債務」や「偶発債務」を意図せず引き継いでしまうことです。
これには、未払いの残業代、訴訟リスク、将来発生する可能性のある損害賠償、債務保証などが含まれます。
デューデリジェンス(買収監査)を徹底しても、すべてのリスクを発見することは困難です。
買収後にこれらの債務が発覚した場合、想定外の損失を被ることになり、M&Aの投資効果を大きく損なう可能性があります。
株式譲渡は会社全体を対象とするため、特定の事業だけを買収する事業譲渡に比べて、一般的に買収に必要な資金が多額になる傾向があります。譲渡価格は、会社の純資産に加えて、ブランド価値や技術力といった無形の価値(のれん)も上乗せして算定されるためです。
また、対象会社が土地や建物といった不動産を所有している場合、それらの資産価値も価格に反映されます。
そのため、買い手は多額の自己資金を用意するか、金融機関からの借入(LBOローンなど)を活用する必要があり、財務的な負担が大きくなります。
対象会社の株式が創業者一族や従業員など、多数の株主に分散している場合、すべての株式を100%取得することが困難になるケースがあります。
一部の株主が株式の売却に反対したり、連絡が取れなかったりすると、完全子会社化が実現できません。
特に歴史の長い中小企業では、名義株の問題や相続による株式の分散が起きていることも少なくありません。
少数株主が残存すると、経営の意思決定が迅速に行えなかったり、将来的に株式の買い取りを巡ってトラブルになったりするリスクがあります。

株式譲渡、特に譲渡制限株式が設定されている非上場会社のM&Aは、会社法に定められた正式な手続きに沿って進める必要があります。ここでは、売り手からの承認請求から始まり、契約締結、そして最終的なクロージングに至るまでの一連の流れを7つのステップに分けて具体的に解説します。
各ステップで誰が何をすべきかを理解することで、円滑でトラブルのない株式譲渡を実現できます。
株式譲渡の手続きに必要な書類については「株式譲渡の手続きに必要な書類とは?株式譲渡証書の雛形、注意点」で詳しく紹介しています。
多くの中小企業の株式には、定款によって「譲渡制限」が設けられています。
これは、会社の承認なしに株式を第三者へ譲渡できないというルールです。
そのため、売り手である株主はまず、株式を譲渡したい相手(譲受人)や譲渡する株式数を記載した「株式譲渡承認請求書」を会社に提出し、譲渡の承認を求めることから手続きが始まります。
この請求が、一連の手続きのスタートとなります。
会社は、売り手から株式譲渡承認請求を受け取った後、定款の定めに従って承認機関で審議します。
取締役会設置会社であれば取締役会が、設置していない会社であれば株主総会がその役割を担います。
ここで、譲渡を承認するか否かを決議します。
この決議は、会社の経営に好ましくない人物が株主になることを防ぐための重要なプロセスです。
通常、友好的なM&Aでは滞りなく承認されます。
株式譲渡・事業譲渡の際に株主総会の決議が要否については「株式譲渡・事業譲渡の際に株主総会の決議は必要?決議の種類と議事録の書き方も解説」で詳しく紹介しています。
会社は、取締役会または株主総会での決議後、その結果を請求者(売り手)に通知する義務があります。
会社法では、請求から2週間以内に通知しない場合、譲渡を承認したものとみなされる「みなし承認」の規定があるため、会社は速やかに対応しなければなりません。
承認されなかった場合、会社は自ら株式を買い取るか、他の買取人を指定する選択肢を検討することになります。
この通知をもって、次のステップに進むことができます。
会社の承認が得られた後、売り手と買い手は、最終的な取引条件を定めた「株式譲渡契約(SPA:Stock Purchase Agreement)」を締結します。
この契約書には、譲渡する株式数、譲渡価格、代金の支払方法、クロージングの前提条件、表明保証、補償条項といった重要な内容が盛り込まれます。
双方の権利義務を明確にし、将来の紛争を防ぐための非常に重要な契約です。
通常は、弁護士などの専門家が作成に関与します。
株式譲渡契約書(SPA)については「株式譲渡契約書(SPA)とは?書き方・作成時の注意点・雛形を解説」で詳しく紹介しています。
株式譲渡契約で定められたクロージング日に、買い手は売り手に対して株式の売買代金を支払います。
決済は、銀行振込など契約で合意した方法で行われます。
高額な取引の場合、金融機関が仲介して代金の受け渡しと重要書類の交換を同時に行う「エスクローサービス」を利用することもあります。
この決済をもって、株式の対価の支払いが完了します。
代金の決済後、売り手と買い手は共同で会社に「株主名簿書換請求」を行います。
これを受けて、会社は株主名簿の株主氏名や住所を売り手から買い手の情報に書き換えます。
この名義書換を行わなければ、買い手は株主としての権利(議決権や配当請求権など)を会社や第三者に対して主張することができません。
株主の持分が法的に移転したことを確定させるための、極めて重要な手続きです。
会社が「株券発行会社」である場合、譲渡の効力が発生するためには、売り手から買い手へ株券を交付する必要があります。
株券不発行会社ではこのステップは不要ですが、定款で株券の発行が定められている場合は必須の手続きです。
もし株券を紛失している場合は、株券不発行会社への定款変更や、株券の無効手続きなど、別途煩雑な手続きが必要になるため、事前の確認が不可欠です。
2006年の会社法施行後は株券不発行が原則となっています。
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株式譲渡を行う際には、譲渡によって得た利益に対して税金が課されます。この税金は、株式を売却したのが個人か法人かによって、課税される税金の種類、計算方法、税率が大きく異なります。
正確な納税額を把握し、M&Aの資金計画を立てるためには、これらの税務上の違いを正しく理解しておくことが不可欠です。
ここでは、個人株主と法人株主、それぞれのケースで発生する税金について具体的に解説します。
個人株主が非上場株式などを売却して利益を得た場合、その利益は「株式等に係る譲渡所得」として、給与所得など他の所得とは分離して税額が計算される「申告分離課税」の対象となります。
税率は、所得税15%、復興特別所得税0.315%(所得税額の2.1%)、住民税5%を合計した20.315%です。
計算式は「譲渡所得=譲渡価額-(取得費+譲渡費用)」となり、この譲渡所得に対して税率を乗じることで納税額を算出します。
翌年の確定申告期間内に申告と納税を行う必要があります。
法人が保有する株式を売却して利益(譲渡益)が出た場合、その利益は他の事業活動から生じた損益と合算され、法人全体の所得の一部として扱われます。
したがって、個人のように分離課税とはならず、法人税、地方法人税、法人住民税、事業税といった「法人税等」が課税されます。
譲渡益の計算方法は「譲渡益=譲渡価額-株式の簿価」となります。
法人税等の実効税率は資本金や所得額によって異なりますが、一般的に約30%程度とされています。
決算期末に他の損益と通算して税額を計算し、申告・納税します。

株式譲渡を円滑に進め、将来のトラブルを避けるためには、いくつかの重要な点に注意する必要があります。
特に、株式の譲渡制限の有無や株券の発行状況といった法的な確認事項は、手続きの根幹に関わるため見過ごせません。
また、株主構成の正確な把握や、デューデリジェンスによるリスクの洗い出しも成功の鍵を握ります。
ここでは、非上場の株式譲渡を成功に導くための4つの注意点を解説します。
株式譲渡を検討する際、まず確認すべきは、対象会社の株式に譲渡制限が付いているかどうかです。
日本の中小企業のほとんどは、定款で株式の譲渡に会社の承認(取締役会や株主総会)を必要とする「譲渡制限」を設けています。
この制限があるにもかかわらず、会社の承認を得ずに株式譲渡契約を結んでも、その譲渡は会社に対して効力を持ちません。
必ず事前に会社の定款を確認し、定められた承認手続きを遺漏なく行うことが、有効な株式譲渡の第一歩です。
次に、対象会社が株券を発行している「株券発行会社」か、発行していない「株券不発行会社」かを確認することも重要です。
2006年の会社法施行により株券不発行が原則となりましたが、それ以前に設立された会社で定款変更をしていない場合、株券発行会社である可能性があります。
株券発行会社の場合、株式譲渡の効力発生要件として「株券の交付」が必須となります。
もし株券を紛失していると、再発行や無効手続きに時間がかかり、M&Aのスケジュールに大きな影響を与えるため、事前の確認が不可欠です。
無償譲渡の場合もこのルールは適用されます。
円滑な手続きのためには、現在の株主構成を正確に把握しておくことが極めて重要です。
株主名簿に記載されている株主の所在が不明であったり、名簿上の株主と実際の所有者が異なる「名義株」が存在したりすると、手続きが停滞する原因となります。
例えば、過去の出資者が名義だけを貸していた例や、相続によって株主が代替わりしているにもかかわらず名簿が更新されていないケースなどがあります。
事前に株主と連絡を取り、真の所有者を確認し、協力を得られる体制を整えておく必要があります。
特に買い手にとって、デューデリジェンス(DD)の実施は株式譲渡を成功させる上で不可欠なプロセスです。
株式譲渡は会社を丸ごと引き継ぐため、財務諸表に現れない簿外債務や偶発債務(未払残業代、訴訟リスク、環境汚染問題など)も承継してしまいます。
DDを通じて、法務、財務、税務、事業など多角的な観点から対象会社のリスクを徹底的に洗い出し、その結果を譲渡価格や契約条件に反映させることが重要です。
リスクの見落としは、買収後の深刻な損失につながるため、細心の注意が求められます。
ウィルゲートM&Aでは、17,400社を超える経営者ネットワークを活用し、ベストマッチングを提案します。Web・IT領域を中心に、幅広い業種のM&Aに対応しているのがウィルゲートM&Aの強みです。M&A成立までのサポートが手厚く、条件交渉の際にもアドバイスを受けられます。
一般的にM&Aの成約までは6ヶ月〜1年ほどの期間を要しますが、ウィルゲートでは平均で4ヶ月、最短1.5ヶ月での成約実績、40億円以上での成約実績もあります。完全成功報酬型で着手金無料なので、お気軽にご相談ください。
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ウィルゲートM&Aは、これまで数多くのベンチャー・IT企業様の株式譲渡をご支援してまいりました。
スピーディーなマッチングによる短期間での成約から、数十億円規模の大型ディールまで、その実績は多岐にわたります。
ここでは、実際に当社が仲介し、株式譲渡によって大きな成功を収められた企業様の事例をいくつかご紹介します。
これらの成功例から、最適なパートナーと出会うことの重要性が見えてくるはずです。
M&Aの成功事例については「ウィルゲートM&AのM&A成約事例」でも詳しくご紹介しています。
マッチングアプリのメディア「LiFe」を運営していた株式会社エスタイル様は、事業のさらなる成長を目指し譲渡を決意されました。
ウィルゲートM&Aは、ネットメディア事業を展開する株式会社エヌリンクス様との間に高いシナジーを見出し、両社をご紹介しました。
その結果、初回の面談からわずか約1ヶ月半という極めて短期間で株式譲渡契約の締結に至りました。
この事例は、迅速なマッチングがいかに重要であるかを示す好例です。
■紹介記事はこちら:https://www.willgate.co.jp/ma/case/179/
サイト内検索エンジンの開発を手掛けるビジネスサーチテクノロジ株式会社様は、マーケティングテクノロジー領域で事業を展開する株式会社ジーニー様への株式譲渡を実現しました。
本件は譲渡対価が11億円という大型のディールでしたが、ウィルゲートM&Aが主催したセミナーでの出会いをきっかけに交渉が始まり、わずか3ヶ月というスピードで成約に至りました。
この事例は、規模の大きなM&Aにおいても迅速な対応が可能であることを示しています。
■紹介記事はこちら:https://www.willgate.co.jp/ma/case/173/
エネルギー領域でマッチングビジネスを展開していた株式会社INE様は、多様な領域でDX事業を推進するポート株式会社様への株式譲渡を行いました。
両社の事業には極めて高い親和性があり、綿密なコミュニケーションを重ねた結果、企業価値は高く評価され評価額40億円での成約となりました。
この事例は、事業シナジーを最大化するマッチングが、いかに企業価値を高めるかを示す象徴的な例といえます。
株式譲渡を検討する際には、多くの疑問が生じるものです。
例えば、事業譲渡との選択基準や、自社の価値がどのように決まるのか、また赤字でも売却は可能なのかといった質問は、非常によく寄せられます。
ここでは、そうした株式譲渡に関する代表的な質問とその回答をまとめました。
これらのQ&Aを通じて、M&Aへの理解をさらに深めることができます。
会社全体を包括的に承継させたい場合は株式譲渡が、特定の事業や部門のみを売買したい場合は事業譲渡が適しています。
手続きの簡便さや許認可の承継を重視するなら株式譲渡、不要な負債の切り離しを優先するなら事業譲渡が有利です。
M&Aの目的や自社の状況に応じて、専門家と相談の上で最適な手法を選択することが重要です。
会社の価値(株価)は、貸借対照表の純資産を基準にする方法、将来生み出すキャッシュフローを基に算出するDCF法、類似上場企業の株価を参考にする方法など、複数の算定方法を用いて評価されます。
ただし、これはあくまで理論値であり、最終的な譲渡価格は、買い手との事業シナジーや成長性、交渉によって決定されます。
はい、可能です。
赤字経営であっても、独自の技術力、優れた人材、強固な顧客基盤、特定の許認可など、買い手企業にとって魅力的な価値があれば、M&Aは成立します。
特に、買い手の事業と組み合わせることで将来的に黒字化が見込める場合や、高いシナジー効果が期待できる場合には、十分に売却の可能性があります。
ウィルゲートM&Aが多くの企業様から選ばれるのには、明確な理由があります。
長年の業界経験に裏打ちされた独自のネットワーク、領域特化だからこそ実現できる高い専門性、そしてお客様のリスクを最小限に抑える料金体系。
これら3つの強みが組み合わさることで、お客様にとって最高の結果をもたらすM&A支援を可能にしています。
ウィルゲートM&Aの大きな強みは、その成約スピードです。
通常、M&Aの完了までには半年から1年以上かかることも珍しくありませんが、当社では平均4ヶ月という迅速な成約を実現しています。
これを可能にしているのが、5,600社を超える独自の買い手企業ネットワークです。
決裁権を持つ経営者と直接つながることで、迅速な意思確認と最適なマッチングを行い、他社の2〜3倍の速さで交渉を進めることができます。
当社は、M&Aの中でも特にIT・ベンチャー領域に特化しています。
成約案件の約8割がIT関連企業であり、Webマーケティング支援で培った知見を活かし、SaaS、メディア、受託開発といった事業のビジネスモデルや価値を深く理解しています。
この高い事業解像度により、一般的なM&A仲介会社では難しい専門的なアドバイスや、事業の強みを最大限に引き出す企業価値評価が可能です。
豊富な実績が、その専門性を証明しています。
安心してM&Aの検討を始めていただけるよう、譲渡を希望される企業様からは、着手金や中間手数料を一切いただかない「完全成功報酬制」を採用しています。
M&Aが成約するまで費用は一切かからないため、売却できるか不確かな段階でも、リスクなくご相談いただけます。
また、最低報酬額も業界水準に比べて低く設定しており、小規模なM&Aであっても、費用倒れを心配することなくご依頼いただける料金体系です。
株式譲渡は、会社の経営権を包括的に移転させる、M&Aにおいて最もスタンダードな手法です。
手続きが比較的シンプルで、売り手にとっては創業者利益の獲得やスムーズな事業承継、買い手にとっては許認可や契約関係をそのまま引き継げるなど、双方に多くのメリットがあります。
一方で、事業譲渡との違いを正しく理解し、簿外債務のリスクや株主の同意形成といったデメリットにも注意を払う必要があります。
株式譲渡の意味を深く理解し、自社の状況に合わせた最適な選択をすることが、M&A成功の鍵となります。
ウィルゲートが目指すのは、売り手様、買い手様、双方に納得感のあるM&Aです。M&Aがお客様の目的やご希望に合致しない場合、無理にM&Aをすすめることは絶対にありません。
M&Aで思わぬ失敗をしないためにも、まずは一度、ウィルゲートM&Aにご相談いただければ幸いです。
M&Aが解決策として見込める場合、17,400社以上の経営者とのネットワークから、最適なマッチングを迅速にご提示させていただきます。
成約実績は2年で50件以上、完全成功報酬型で着手金無料ですので、まずはお気軽にご相談ください!
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