「未来をつくるキープレイヤー」の活躍をサポートすることをミッションに、2005年1月に設立された「キープレイヤーズ」。市場の黎明期から、ベンチャー転職・スタートアップ転職の専門エージェント事業を手がけている企業です。
代表の高野様は長年X(旧Twitter、以下X)を個人で活用していましたが、さらなる可能性を探るため、ウィルゲート専務取締役COO吉岡によるX支援コンサルティングの導入を決めました。
結果、4か月の施策を通じて、5000フォロワー以上が増加。1ツイートあたりのインプレッション数は2,000から1.1万に増加し、X経由の問い合わせも2倍に増えるなど、アカウントの影響力を広げています。導入の背景や施策内容について、サイトの運営を担当している高野様にお聞きしました。
左:キープレイヤーズ 代表取締役 高野 秀敏様(以下、高野)
右:株式会社ウィルゲート 専務取締役COO 吉岡 諒(以下、吉岡)
聞き手:ライター 外山ゆひら
<課題と効果>
【抱えていた課題】
・Xの活用法にさらなる可能性はないか探っていた
・フォロワー数の伸びが停滞していた
【導入・活用成果】
・2,000程度だった1ツイートあたりのインプレッション数が1.1万に増加
・4か月間で5,235フォロワー増加
・X経由の問い合わせ数が支援前の約2倍に
目次
長年運用していたアカウントの成長が停滞し、新たな活用法を求めていた
まずはキープレイヤーズ様のサービスを立ち上げた経緯や強みについて、高野さんに詳しくお聞きしました。
――貴社サービスが生まれた経緯について教えてください。
高野:学生時代から起業を視野に入れていたのですが、インターンを通じて自身の未熟さを痛感し、修行のため会社に入ろうと決めました。人材業界を選んだのは、幼い頃から祖父が保護司をしている姿を見ていて「自分も人を助ける仕事がしたい」と感じたのが理由です。
働いている人の魅力・成長市場・成長企業・低資本から始められる高収益ビジネス、という4つの希望条件をすべて満たしていたインテリジェンス(現:パーソルキャリア)に入社を決めたのですが、入社後に受けた米国の職業適性テストでは、全社員の中でほぼいないキャリアカウンセラーの職業適性が100%でした。今でもキャリアカウンセラーという仕事には適性があるのだろうと自覚しています。
同社では6年ほど仕事をしましたが、その中で「充分に手が回っていない」と感じたのがベンチャーやスタートアップ企業の転職サポートです。市場を見渡しても「ベンチャーやスタートアップの厳しい採用活動をサポートしよう」という会社がなく、ビジネス的な可能性と幼少期からの「人助けをしたい」という想いが相まって、当社を立ち上げることにしました。
――ベンチャーやスタートアップ企業の転職市場は、当時どのような状況だったのですか?
高野: 当時はリーマンショックも来ていない頃で、マーケットは本当に小さかったです。ベンチャーやスタートアップ企業は、今でこそ若手の就職先として選ばれるようになりましたが、当時は会社の知名度のなさがネックになって満足な採用ができない、採用に投資しようとしても資金調達がすごく難しいといった背景がありました。2011年頃から現在までに市場は約12倍に成長し、多くの競合が参入してくる状況になっています。
――2022年4月にウィルゲート社のX支援コンサルティングを導入いただいたきっかけは。
高野: Xはかなり初期から個人のアカウントでやっていました。飽きて触っていない時期もありましたが、Youtubeチャンネル「高野秀敏のベンチャー転職ch」を始めてから再開し、その動線として活用していました。とはいえ投稿はあまりしていない状況でした。
今回の支援をいただく前の段階で4万人前後のフォロワーがいたのですが、フォロワーの伸びが停滞ぎみになっていたことも気になっていました。「このやり方でいいのかな?」という手探り感が強く、もっと活用できる可能性を感じてはいたのですが、自分でやり方を変えることはなかなか難しかったです。吉岡さんとは以前からつながりがあり、話を聞いてお願いしようと決めました。
Xは一方的な発信ツールではない。改めて学んだのは「アクションの大切さ」
――支援内容について教えてください。
吉岡:プロフィール添削やターゲットを絞ったフォローのご提案、成果が出るツイートのシェア、投稿草案作成などの支援をいたしました。
高野:狙いたいターゲットを明確にして投稿のタイミングや内容を精査する過程でも、相談相手として何度も壁打ちのようなやりとりをいただいたおかげで、試行錯誤ができました。自分ひとりで試行錯誤していたら、かなり遠回りをしていたと思いますね。経営者は上司がいないので、気軽に壁打ちできる相手がいない人は少なくないはず。仮にいたとしても、SNSのやり方を教えてくれる人はそうそう身近にいないと思います。
――支援を通じての気づきはありましたか?
高野: たくさんありますね。リード獲得を目的とした投稿を恐れないといったノウハウもそうですし、絵文字や改行の効果の有無、プロフィールに書く内容とDMでの使い分けなど、細かな点でも「やはりそうだったのか」と確信を持てた気づきが山ほどありました。
一番感じたのは、「みんな自分が思っているよりも他人のことは気にしていないし、見ていない」ということ。最近はアルゴリズムなどで、投稿がハネなければ相手のタイムラインに表示さえされないことも少なくありません。「何回も投稿するとウザがられるのでは?」みたいな恐れは無用だとわかりました。
いいね!やリプライをたくさんすることの重要性も学びました。ギブアンドテイクの観点と言いますか、人付き合いの感覚は平場と違いはないのだなと。普段から良くしてくれる人には、良くしたくなるのが人の心理。普段からリアクションをくれる人に頼まれたら快く応じたくなるもので、逆も然りです。タイムラインはその人の資産なので、丁寧にアクションを取り合って「つながりを築いた先にビジネスがある」と考えたほうが良いと思いますね。
「アクションする」という重要な機能を忘れている人は少なくない気がします。おそらく「SNSの本質は発信であり、PRツールである」と考えているからではないでしょうか。たくさんPRしたい人ほど、他の人のアカウントに関心を持つことが大切だと思います。今回の支援を通じて活動している中で、元々抱いていた仮説が確信に変わりました。
経営者の個人アカウントは経営資源。トレーナーがいると継続しやすい
――支援の成果を教えてください。
高野:フォロワー数は最新の数字では6.6万フォロワー(2024年1月段階)になっています。フォロワー数が増えるときは解除数も増えており、「同じフォロワー数でもラインナップは相当入れ替わっているのだな」ということも、今回の支援で知ったことの1つです。
教えていただいたことに慣れるまでは、X運用に多少時間を使いましたが、しっかりした運用フローがあるので、支援前に想像していたよりもリソースは使っていません。仕組み化ができてくると、運用もかなりラクになりました。
――成果につながって本当によかったです。支援を受けてみた感想はありますか?
高野:一番感じたのは、X活用はダイエットや言語学習に似ているということです。専門的なノウハウがあり、自分でそれを知るのが難しいこと。方法論がわかっても、相当に強い意志がない限り、ひとりではなかなか継続できないこと。コーチングやパーソナルトレーナーの存在がいると継続しやすいこと。この3つの観点からです。
「重要だけど、緊急性が高くない」という点でも似ていますよね。「Xは絶対にやったほうがいい」とわかっているけれど、忙しくて後回しになっている、というのが大抵の経営者の実情ではないでしょうか。吉岡さんほどストイックな方は別として、です(笑)。
吉岡:恐れ入ります(笑)。経営者の方はXを絶対にやったほうがいい、というのは100%同意見です!
高野:また、私もそうだったのですが、アカウントを自分個人と切り離せない人は少なくない気がします。ですが、自分の会社の広報や経営資源だと考えたほうがいいと思いますね。会社名を検索して経営者のアカウントが出てくれば、絶対に見ますから。会社名を知ってほしいなら、Xをやらないことは損失だと思います。
――貴社事業であるベンチャーやスタートアップの採用にも通じるお話ですね。
高野:まさにそうですね。転職での応募者の60%以上が「知っている会社」に応募する、というデータもあり、社名を広く知ってもらわないことには始まりません。優秀なビジネスパーソンであれば、余裕で100社〜200社から転職スカウトメールが来て、その中から平均3〜4社しか受けませんので、その枠に入らなければ受けてもらえないということです。「最近この会社の名前聞くよな」という状態を作っていくためにも、SNSの活用は必須だと思います。
応募者側も、Xをどんどん活用するといいと思いますね。短期的には求人媒体を利用したほうが早いかもしれませんが、中長期的に考えれば、市場価値の向上にもつなげられるはずです。普段の投稿を通じて、応援してくれるビジネスパーソンを獲得しておいて損はないと思います。
真面目にビジネスをやっている経営者、BtoBの企業にこそX活用を勧めたい
――ウィルゲート社のコンサルティング支援を推薦いただくとしたら、どのような企業や担当者様になるでしょうか?
高野:真面目にビジネスをやっている経営者に強く勧めたいですね。私はこれまで1.1万人以上のキャリア面談をして、4000人以上の経営者の採用相談に乗ってきましたが、ビジネスの実力とフォロワー数がイコールの人は、実はそう多くない気がしています。
Xはフォロワーが多いと影響力が大きいように見えてしまう「錯覚資産」という側面もありますが、だからこそ、サービスやビジネスに自信を持っている人にこそSNS上での影響力を持ってほしい。「自分のキャラクターよりも、サービスが広まることのほうが大事」と考え、メディア戦略の1つとして取り組んでみてほしいです。事業に対して必ずバッグがあると思いますし、一度やってみれば向いているかどうかの結論も出ると思うので、一度は試してみてほしいですね。
現状、Xは実名でやっている人が少ないSNSですが、ビジネス用途で使う人も増えてきています。ビジネス的にはまだまだブルーオーシャンなので、BtoCの企業だけでなく、BtoBの企業も積極的にやるといいと思いますね。社員への発信にも使えますし、経営者として文章を簡潔に的確に書けるライティングスキルを身につけておいて損はないはず。社内のチャットツールのやり取りなどにも応用できると思います。
――運用のリスク面については、どう感じていますか?
高野:「アカウントがバン(停止)されたら?」「Xが廃れたら?」など私も色々とリスクを考えますが、考えても仕方のない領域ですよね。人の考え方や心理が変わるわけではないので、また違うSNSが出てきたらそちらでフォロワーを増やせばいいと楽観的に考えています。フォロワーを獲得するノウハウは自分の中に残るわけですから。新しいプラットフォームが出てきたら、吉岡さんがまたノウハウを考えてくれると思います(笑)。
吉岡:お任せください(笑)!
――これからの貴社の目標を教えてください。
高野:キープレイヤー発掘。採用を通じて社会をより良くしていきたいです。またエンジェル投資や顧問、社外役員、オンラインサロン、バングラデシュで不動産や銀行の設立から投資など色々とやってきました。今後も日本で、世界で、人の役に立つことがしたいです。
Xはこれからも着実に活用していくつもりです。最近はInstagramにも挑戦しており、使い分けをしていけたらと考えているのですが、Instagramの運用はまったくの別物という実感がありますね。たとえるなら、短距離走と長距離走の両方で成果を出すのはなかなか難しい、という感じでしょうか。
吉岡:私も試行錯誤中ですが、Instagramや写真や画像がメインなので、Xとは別の種類の才能が必要な気がします。画像系が得意な人は、そちらのフィールドで頑張ってみるのも1つの方法ですよね。
――ビジネスの観点では、どのツールを勧めますか?
高野:全部やってみて損はないと思いますが、まずはXとFacebookでしょうか。Facebookは会ったことがある人と繋がるには最強のツール。知らない人に認知してもらいたい、採用に活用したいという人にはXがベストだと思います。XとFacebookは親和性があるので、運用ノウハウも応用できると思います。
Xはアクティブユーザー数が多く、特にスタートアップやベンチャー企業界隈で認知や人脈を広げたい人はマストだと思います。若手からベテランまで、職種も年齢も多様な人がいますが、投稿やフォロワーを伸ばすのはかなり難しいSNSなので、ノウハウは必要だと思います。
Facebookはベテラン層が多く、30〜40代の経営者がたくさんいるので、若い人ほど使うことを勧めたいですね。英語が使える人、外資系企業を視野に入れている人は、Linkdinも同時並行で使えるとベストかと思います。仕事の経歴が見られるので、スカウト側目線だと特に有効に使えるはずです。
――有益なアドバイスをありがとうございました!キープレイヤーズ様のさらなる発展を祈念しております。
今回は、株式会社キープレイヤーズ代表高野様にご協力いただき、X支援コンサルティングの導入によって、多くのフォロワーを獲得し認知拡大に成功した事例をご紹介しました。
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