
結婚指輪・婚約指輪・ペアリングを手作りできる工房や、ジュエリーの修理加工・リフォーム専門店を、札幌で展開する企業があります。それが株式会社一宝様です。
同社は各店舗ブランドごとに手作り結婚指輪・婚約指輪・ペアリングの「工房Smith札幌」、ジュエリー修理・リフォーム・オーダー・買取の「RITZ GLANDE」などのサイトを運営しています。質・量ともに安定した運用を続けるために、内製化に向けて体制づくりを進めたいという考えから、ウィルゲート社のTACT SEOを導入。支援開始から3ヶ月でセッション数が施策前の1.8倍超に増加したサイトもあり、また作業工数を大幅に削減できたことで、管理者の効率化も図れていると言います。
導入の背景や施策内容について、全体のディレクションを統括する金さんにお聞きしました。

株式会社 一宝(IPPOO.CO.Ltd)<工房Smith札幌>金 未潤氏(以下、金)、<RITZ GLANDE>三浦 由理奈氏(以下、三浦)
株式会社ウィルゲート 大森 健太郎氏(以下、大森)、古谷 勝氏(以下、古谷)
聞き手:ライター 外山ゆひら
目次
ブランド別に、自分たちの手でSEO対策ができる体制を作りたかった
まずはサービスの詳細について、「工房Smith札幌」ブランドの責任者である金さんに詳しくお聞きしました。
──貴社のサービスの詳細について教えてください。
金:当社はジュエリー製造卸・小売・買取やオリジナルオーダージュエリーの制作やリフォーム、加工を手掛ける企業グループとして、2007年に創業しました。店舗ブランドごとに分社化しており、それぞれに代表がいます。具体的には、株式会社一宝が運営しており、札幌市内と京王プラザホテル札幌内店舗を構える「工房Smith札幌」、同じく京王プラザホテル札幌内に店舗を構えており、ジュエリー修理加工・リフォーム専門店「RITZ GLANDE」というラインナップです。
──どのようなお客様層を想定しているのでしょうか。
金:「工房Smith札幌」の場合、結婚指輪や婚約指輪の制作を希望されるカップルが大半で、事前に一度来店いただき、相談してから制作当日を迎えます。ペアリングをご希望の場合は、来店当日に制作が可能です。修理加工・リフォーム専門店「RITZ GLANDE」では、あらゆるジュエリーを取り扱っていますので、「祖母の指輪をリフォームしてネックレスにしたい」など、さまざまな世代・目的のお客様に来店いただいています。
いずれにせよ、ワンランク上の大人向けのジュエリーを求めているお客様を想定していますので、出店先のエリアや施設にもこだわっています。実店舗での集客に加え、サイト経由でお店を知っていただいた場合は、「ご来店予約」「問い合わせ」などのアクションを起こしていただいたところにコンバージョンポイント(以下、CV)を設定しています。
──サイトの運営はどのように行なっていたのでしょうか。
金:記事作成には2020年頃から取り組んでおり、当時はSEOの会社に外注していました。記事作成は外部のライターさんにお願いしていたのですが、こちらのタイミングで時々依頼して、安定的なクオリティやスピードを維持するのは、なかなか難しいなと。「RITZ GLANDE」のサイトなどは結構な記事本数があったのですが、他の業務との兼ね合いで、1年くらい更新ができておらず、必然的に検索順位も落ちていました。
──2025年6月にウィルゲート社のTACT SEOを導入いただいたきっかけは。
金:上記の課題感に加え、昨今の生成AIの進化もあって、自分たちでも内製化できるのではないか、管理者の負担を減らせる方法があるのではないか、と考え始めたのが昨年のことです。とはいえ、SEOの知識があるのは私一人という状況だったので、全体としていきなり生成AIの導入はハードルが高いなと。どんなスタッフでも使いやすく、かつ判断をある程度任せられるAIの機能があるツールはないかと思い、競合サイトの調査分析ができるコンテンツマーケティングのツールなどを試していました。
その過程でウィルゲート社のTACT SEOを知り、調べてみるとサポート体制やフィードバックが充実している上、生成AIの機能もかなり実装されているとのこと。生成AIは日進月歩で進化しており、マーケットのニーズとタイムラグが生じている印象があったのですが、TACT SEOは頻繁に機能アップデートをしていて、最新のAIを使えそうだと興味を持ちました。さらに、新機能が追加されるたびにChatworkでタイムリーにお知らせが届くため、アップデートを追いやすく、常に最新状態で使える点も好印象でした。
そこで話を聞かせてほしいとお願いすると、ウィルゲート社のTACT事業責任者の古谷さんが徹底的に当社の状況をヒアリングし、最適な方法を提案してくださいました。担当者・大森さんもツールの試用期間に3回ほどサポートに入ってくださり、「伴走します」という言葉に信頼を置けたことから、2025年6月より1年間、TACT SEOプロフェッショナルプランを導入することにしました。
各担当者がTACT SEOを習得し、それぞれ月50〜60本の記事作成に注力
──どのような施策からスタートしているのでしょうか。
金:記事作成機能を使いながら、各サイトの担当者たちが毎月50〜60本の記事作成を進めています。ウィルゲートの大森さんにキーワードの抽出方法を案内いただいたことも、非常に助かりましたね。そのキーワードの中から記事作成を進めています。最初の2ヶ月はリライトを中心に取り組み、3ヶ月目からは新規記事の作成にも着手している状況です。
──各サイトで月50〜60本とはかなりハイペースですね!
金:施策開始当初、主要なキーワードの検索順位は5〜9位あたりが多かったので、少しでも上に持っていきたいという思いがありました。一部、2ページ目に表示されるキーワードもあったので、1ページ目にランクアップできるように、という明確な目標のもとで、まずは量の確保に努めました。
といっても、ただ闇雲に作業をしていたわけではありません。「検索上位のページと比較して何が足りないのか」「どんな見出しや内容を追加すべきか」といったことは、しっかり精査してからアップしています。その方が成果につながるだろうと見込んでのことです。
──しっかりコミットしてくださっているのですね。TACT SEOの使い心地はいかがですか。
金:TACT SEOの利用開始にあたっては、動画資料を存分に活用しました。担当者が拠点ごとに分かれているので、各ブランドのスタッフにURLを共有して習得をお願いしたのですが、かなり役立ったと聞いています。私の所感では、ジュエリー業界はデジタルに強い人がまだまだ多くないのですが、当社の場合、AIに抵抗がない世代のメンバーが多いことも功を奏したように思います。デジタルやAIに馴染みがなかったメンバーに関しても、2、3回実際に書いてもらえれば慣れていく様子もありました。
三浦:私もSEOをまったくの知識ゼロから勉強した一人です。記事作成も初めてだったのですが、TACT SEOの動画資料を見ながら、特につまずくことなく基本的な機能を使えるようになりました。
流入数が1.8倍に伸びたサイトも。全体のSEOリテラシーも向上

──成果が出たときのエピソードを教えてください。
金:この3ヶ月間で、一番顕著に成果が出ているサイトは「RITZ GLANDE」です。6月から8月にかけて、セッション数が1.8倍に増加しました。支援前に全く触れていなかったサイトなので、その分、大きく数字が跳ねたのだと思います。
狙っていた主要なキーワードでの検索順位でも、以前より上位化を図れています。たとえば「工房Smith札幌」では、「婚約指輪 札幌」のキーワードで5位以内を獲得できている状況です。
──まだまだ支援は始まったばかりですが、数字以外にも変化は現れていますか?
金:まず、これまで記事作成の経験がなかった各店舗のチームメンバーが、それぞれでTACT SEOを使用して記事を作成できるようになったことは、大きな前進と捉えています。記事作成のポイントについてもノウハウが蓄積していますし、マーケティングやSEOの知識が全くなかったところから、当たり前に「h1がどうこう」といった会話が飛び出すようになり、全体的に知見が深まっていますね。記事作成を通じて生成AIに興味を持つようになったメンバーもおり、他の業務に活用してみようといった話も進んでいます。
大森:一宝様は、私がこれまで担当してきた支援事例の中でも、かなりスピーディーに内製化が進んでいる印象です。どのブランドの担当者様も、こちらから状況伺いをする必要がないほど、非常にハイペースに記事作成を続けてくださっていますね。それぞれが積極的に質問も投げてくださるので、接触頻度も高く、ポイントポイントでレクチャーさせてもらっています。
──導入前に期待されていた「管理者の負担を減らしたい」という点に関してはいかがでしょうか。
金:いちマーケティング担当者としての所感ですが、記事の判断や確認は、優先度は高くない業務であるものの、とはいえ、外部に出すものではあるので、管理者以外に委ねることが難しい業務と理解しています。そのため、基本的に私が担当している状況です。
支援前は1記事あたり30分ほどかかっていましたが、TACT SEO導入後は5分くらいで終えられるようになり、支援前の1/6程度にまで工数を減らせました。その分、売上比率や単価のアップに直結するようなコア業務に時間を使えています。マーケティングはやるべきことがとめどなくあるので、この点は本当に助かっていますね。
──作業を内製できる体制が整うまで、当社の担当者・大森はどのような点で貢献できたでしょうか。
金:こちらから投げた質問に対しても「この内容について聞きたいということで間違いないですか?」と内容の確認をしてから回答をくださるので、認識の齟齬が起こりにくく、スムーズにやり取りができることが非常に助かっています。各ブランドのSEO担当メンバーに対しても、それぞれの理解度やレベル感を図りながら、それぞれが理解できる表現方法で教えてくれていた印象です。また、TACTには「リスクチェック」の機能もついているので、大森さんにチェックをしてもらう前に、事前に修正した方が良い箇所を確認できるというのもTACTの良いところだと思いました。
大森:説明のわかりやすさということは、支援の上で最も意識している部分です。金様以外のメンバーの皆さんは完全に未経験からSEOに取り組まれているので、「ライティングの目的は」「なぜキーワードを入れるのか」といった基本中の基本の情報も端折らないよう、留意しながらお話しさせてもらっています。
──これからの支援に期待することはありますか?
金: 引き続き、これまで通りの支援をお願いしたいです。強いて挙げるならば、多少費用が高くなっても構わないので(笑)、状況に応じて途中からオプションで付けられるサービスがいろいろとあったら嬉しいですね。最新のSEOトレンドを学べる講座についても、今後メンバーのレベルアップに応じて参加したいと思っています。
大森:貴重なご意見もありがとうございます。サービス設計の参考にさせていただきます。もともとのドメインの強さを鑑みても、一宝様のサイトはまだまだ上位を狙えると思っていますので、引き続き、なんでもご相談いただければ嬉しいです!
今後も「量」を継続できるよう、社内の体制づくりを進めたい
──ウィルゲート社のTACT SEOを推薦いただくとしたら、どのような企業や担当者様になるでしょうか?
金:「外注で記事作成をしているものの、今後は内製化を進めたい」という企業であれば、初手として非常に良いサービスだと思います。1〜2年間くらいを準備期間と捉え、その間に支援をいただきながら社内の体制づくりを進めていくと良いのではないでしょうか。
TACT SEOはUI/UX的にも優れたデザインのツールなので、初心者がいきなり触っても使いこなせるはず。少なくとも当社のメンバーは皆そうでした。窓口が決まらないと動きづらい部分はあるので、まずはメインで進行するSEOの担当者を決めると良いと思います。
SEOのリテラシーの高い人間が社内に一人もいないとしても、担当者に「苦手意識や抵抗感を持たずに学んでみよう」という気持ちがあれば、心配は要らないと思いますね。支援中は随時サポートをもらえますし、今はWeb上に無数の情報が落ちているので、日常の作業と紐付けながら学びを深められるはずです。さらに、AIまわりの変化や対策について分からないことがあっても、担当の方が最新情報を踏まえて丁寧に教えてくれるので、安心して運用を進められると感じています。
──素敵なお言葉をいただきありがとうございます。最後に、これからの3サイトおよび貴社の目標を教えてください。
金 :直近では、まだ拾えていないキーワードを掘り起こしていくことが目標です。「ペアリング」などの主要なキーワードでは順位が取れていますが、「ドライブデート 体験」「結婚10年」「銀婚式」など、盲点となっているようなキーワードも取り上げていきたいです。並行して、1記事ごとの精度も上げていきたいですね。
中長期的には、各サイトで月50本の作成・更新のペースを続けていくことが目標です。SEOは継続が何より重要だと考えており、一時的に頑張って順位を上げても、また下がってしまったら意味がないので。
社内の体制としては、担当者それぞれが自発的にSEOの知識を強化し、「もっとこうしたい」という意見がどんどん出てくるようになれば嬉しいです。現在は各ブランド1人体制ですが、将来的には2人体制にしていくことも考えています。支援をいただいている3サイトのほか、当社ではジュエリーの買取サイトなども運営しているので、今回得た知見をそちらにも反映させていきたいですね。
──株式会社一宝様、および「工房Smith札幌」「RITZ GLANDE」各店のさらなる発展を祈念しております。ありがとうございました!
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