
創業から60年以上、店舗経営の課題を解決する様々なソリューションを提供してきた株式会社USEN。その実績とノウハウを生かし、店舗オーナーに広く有益な情報提供を行っているサイトが、同社のコーポレートサイトです。
同社は多様なサービス領域の中でも、特に検索上位化を急いでいたサービスがありました。そこでウィルゲート社の「エディトル」とSEOコンサルティング支援を導入し、短期間で記事の量産を図り、網羅的な対策を打った結果、サイトへの流入数が約4倍に増加。狙っていたキーワードのうち、約8割が10位以内を獲得するに至りました。
導入の背景や施策内容について、サイトの運営を担当している増田さん、吉田さん、伊藤さんにお聞きしました。

(写真左)吉田さん、(写真右)伊藤さん
株式会社USEN(U-NEXT.HD):営業企画統括部 マーケティング部 WEBプロモーション課 チーフディレクター 増田 美穂氏(以下、増田)、同ディレクター 吉田 冴氏(以下、吉田)、同ディレクター 伊藤 颯氏 (以下、伊藤)
株式会社ウィルゲート:ディレクター 都築 優人(以下、都築)、赤井 洸太(以下、赤井)/コンサルタント 谷部 文菜(以下、谷部)/セールス 長谷川 三紗(以下、長谷川)
聞き手:ライター 外山ゆひら
目次
競合が多いサービス領域での「網羅的なSEO対策」が最優先課題に
まずはサービスの詳細について、USENの皆さんに詳しくお聞きしました。
──貴社のサービスの詳細や強みについて教えてください。
増田: 祖業は音楽配信事業ですが、現在は店舗向けに開業支援サービスやPOSレジ・キャッシュレス決済など、あらゆる経営課題に対応するソリューション事業を展開して60年以上の歴史があります。
コーポレートサイト内には「お役立ち情報サイト」を設置しており、大手チェーン店から個人経営のお店、そしてこれからお店を始める予定の方も含め、店舗を経営するオーナー様に対して情報提供を行っています。具体的には「店舗DX」「POSレジ」「オーダーシステム」「キャッシュレス決済」「BGM /映像エンタメ」「通信」「IP電話」「サイネージ」「防犯カメラ」「配膳ロボット」という10のカテゴリを設け、各サービス別のコンテンツを発信しています。
──非常に多くのカテゴリがありますが、事業別に状況は異なるのでしょうか。
増田 : 時期によっても異なりますが、ここ数年市場のニーズが変化しており、一部の事業領域におけるマーケティング強化が特に必要な状況にありました。これを受け、2024年春にはコンテンツマーケティングにもさらに注力する方針を固めました。
吉田:特に私が担当している事業領域は、サービス内容には絶対の自信を持っているものの、レッドオーシャン化する市場の中での差別化軸の見せ方や現状より秀でるポジションの獲得を、スピード感を持って目指したいタイミングでした。
当時は他社に記事執筆をお願いする形で毎月数本のペースで記事配信を続けており、ある程度の順位は取れていたものの、ビッグキーワードの自然検索による表示順の優位性が伸び悩んでいた状況がありました。
競合数が多い市場であり、かつコモディティ化して他社との差別化を図りづらいという背景もあって、より専門的な知見とSEOにおける戦略設計の立て直しの必要性を感じていたことから、まずはこの領域で検索市場での優位性獲得を目標に、SEO全般を支援いただける会社を探しました。
──2024年5月にウィルゲート社のエディトルとSEOコンサルティング支援を検討いただいたきっかけは。
増田:上記の課題感からSEO支援の会社を探しましたが、ウィルゲート社とは別部署で取引があり、「SEOといえばウィルゲート社」という認識を以前から持っていました。これまでの信頼感に加え、何社かお話を伺う中で、長谷川さんの提案内容に一番、納得感があったことから、記事作成サービス(エディトル)とSEOコンサルティング支援をお願いすることにしました。
施策開始から3ヶ月間で約170本の記事を量産し、一気に浮上を狙った
──どのような施策からスタートしたのでしょうか。
増田:SEOの運用は、もともと別の部署で担っていたのですが、今回の施策にあたって、WEBプロモーション課が全面的に引き継ぎました。それまでは広告プロモーションの運用がメインでしたので、SEOの知識習得には部署を挙げて、スピード感を持って取り組んできた形です。
吉田:SEOを勉強しながら感じたことは、「こんなにもやるべきことがあるのか!」ということでした。今までのやり方では、量も質もスピードも担保できないと再認識しましたね。ウィルゲート社に随時質問をしながら知識を深めて、いただいた回答は部内全員で共有し、ということを繰り返しながら理解を深めていきました。些細な質問でも逐一確認させていただき、正確な情報を理解しようと努めた記憶があります。
2024年6月から8月までは一気に約170本の記事作成を行いました。対策キーワードの網羅性を目的に、まずは質の高い記事の量を確保することが最優先と判断したためです。当社のライター陣とエディトル経由で記事作成を行い、社内でも部署横断的に5〜6名の担当者に付いてもらい、品質を担保しつつ記事の量産を図りました。
──ひと月50〜60本ペースと考えると、ものすごく大変だったのではないですか?
吉田:はい(笑)。当時はコンテンツSEOの知識面に不安を感じつつも、とにかく記事内容の細かいチェックに注力していましたね。エディトル経由での記事の品質は、ウィルゲート社の赤井さんが中心になってレギュレーションをしてくれていたので、心配はなかったのですが、当社の体制が複雑で、それゆえの大変さがありましたね。WEBチームのメンバーだけでなく、編集のメンバーやサービスの企画開発部門もいたので、細かい表現やニュアンスの統一などに苦労しましたが、とにかく気合いで目標本数をやりきった形です。
──施策開始から4ヶ月目以降は、どのように記事作成を進めたのでしょうか。
伊藤 :3ヶ月間で一段落した後は、一旦、体制を組み直しました。以降は各領域で、毎月の目標本数を定めて新規作成とリライトを続けています。序盤に注力していた領域の記事作成をひと通り終えて以降は、他領域の記事の作成にも取り組んでいます。
自然流入数は約4倍に増加。主要キーワードの8割がトップ10以内に
──成果が出たときのエピソードを教えてください。
吉田:主要サービスの施策前後の比較になりますが、上位掲載数は約240%の改善があり、サイト流入は約4倍に増加しました。狙っていたキーワード中、約8割にあたるキーワードが10位以内を獲得できた形です。
──成果につながって本当によかったです。他に得られた成果はありますか?
増田 :部内メンバーのSEOに関する知識が強化され、理解力が向上したことですね。担当する業務への納得感が出てきて、かつ自信も付いてきたようで、業務への取り組み姿勢が顕著に変わってきました。持続可能な運営体制を構築できたことは、今後に向けての大きな成果だと感じています。
──作業を内製できる体制が整うまで、当社の担当者、谷部・赤井はどのような点で貢献できたでしょうか。

(写真左)ウィルゲート社赤井氏、(写真右)谷部氏
吉田:まずキックオフ時点で、編集者さんとライターさんのチームを早急に立ち上げてもらったことに感謝を申し上げます。膨大な記事量だったことに加え、当社が公開を急いでいる都合でかなりタイトなスケジュールでお願いしたのですが、柔軟かつ迅速にご対応いただきました。
伊藤:同意見です。様々な部署に記事の確認をお願いしていたので、当社で工数がかかり、当初のスケジュール通りに進まない局面も何度かあったのですが、柔軟に対応していただき、ウィルゲート社の“完遂力”を実感しました。記事構成においても、当社の希望をかなり汲み取っていただき、最善の提案をいただいて大変ありがたかったです。こちらが伝えた以上の理解力でアウトプットをいただき、信頼感を持って頼らせていただきました。
吉田:記事が上がってきてからは、CMSアップロードの調整にも尽力いただきました。当社には独自のCMS環境があり、すべてのライターさんに同じセキュリティレベルをお願いする必要があったためです。このあたりは当社の開発部門やインフラ部門にも協力をあおぎ、一連の動きをディレクターの赤井さんが調整を仕切ってくださったおかげで、目標としていた時期に目標の本数をアップすることができました。
赤井:お力になれて光栄です。CMS環境の件は予想外のことだったので調整に奔走しましたが、両社の情報システム部門の担当者も交えながら複数回のミーティングを重ね、体制を作り上げていきました。ライター・編集者チームの皆さんにもツールの変更やバージョンの統一をお願いし、全員がセキュリティレベルをクリアできたことで、記事をアップできる体制となりました。
増田 :複数の事業領域を同時並行で支援いただくという点で、当社のサイトは少々特殊だったのではないかと思います。事業領域が複数にまたがっており、横断的にサービスの理解が求められることに加え、市況感や競合他社のラインナップも異なるためです。そのような中でもそれぞれサービスの課題や状況に応じて対策を取れるよう、個別のアドバイスをいただいたことが大変助かりました。事業領域別に担当者も分かれており、それぞれに手探りの部分があったかと思いますが、網羅性のある施策を打つことができました。
谷部:ありがとうございます。それぞれの事業分野がどんな状況なのか、どういったアプローチが適切なのか、とにかくたくさん調べながら支援させていただきました。
たとえば、SEOの強化度合いが強い事業の場合は「競合分析」に力を入れ、競合があまりSEO強化をしていない事業については「ユーザーニーズの把握」に注力し、対策キーワードの抽出を行っています。
また、事業によっては、ターゲットやニーズが重なって食い合ってしまうものもあったため、施策が重複しないよう留意しながら「どのページでどんなキーワードを獲得していくのか」の整理を行いました。
ニーズが顕在化しているキーワードと、潜在的なニーズが見込めるキーワードなど、ユーザー側のサービスの検討度合いも踏まえながら、施策の優先順位付けや整理なども実施しています。それぞれの調査結果はUSENさん側で細かくチェックいただき、密に連携を取っていただいていました。
──成果が出た要因は?
谷部:まず、短期間であれだけの記事のボリュームを作り上げたことが大きいと思います。エディトル経由のライターさん、USENの各事業担当者様に加え、編集部や開発部門など複数部署の皆様ともコミュニケーションを取っていただきながら、記事公開のチェックも迅速に実施していただき、お互いに協力して、施策を進められた実感があります。
あとは泥臭い話ですが、SEOで成果を出すには、担当者の方やチーム全体のやる気が必要です。皆さんが「絶対に結果を出すんだ」という覚悟を持って取り組んでくださり、会社を挙げて汗をかいてくださったことが、最大の要因だと思います。
吉田:リソースが潤沢でないにもかかわらず、他の業務も多々ある中でSEOに取り組むことは大変でしたが、目標達成と成果を出すというモチベーションは確かにあったように思います。
ある程度の成果が出てからも、谷部さんには大変お世話になっています。検索ニーズや市場の変化、コアアップデートなどの影響から、タイムリーに順位変動が起こっています。具体的な対策方法のアドバイスや、「この部分の対策が足りていないのでは」といった指摘をいただきながら、現在進行形で必要な対策を進めている状況です。ページ修正依頼書や順位レポーティング、要望に応じた分析情報まとめなども随時いただいており、常に寄り添って伴走していただいている感覚です。
現在も、どのキーワードのリライトに注力するかの優先順位を精査してもらっているところです。1年前に目標としていた課題感はクリアでき、次のステップに入っています。
SEOの知識強化により広がったサイトのイメージを具現化していきたい
──ウィルゲート社の「エディトル」やSEOコンサルティング支援を推薦いただくとしたら、どのような企業や担当者様になるでしょうか?
増田 :幅広い事業を展開している当社のような会社にも柔軟に対応していただいているので、業界に関係なく、おすすめできます。
目標に対してのプロセス設計もしていただけるので、「SEO対策の進め方に悩んでいる…」という状況からスタートする場合でも、かつ体制が潤沢でなくても、柔軟に支援いただけると思います。当社も伴走いただきながら、ここまでやってこられたので(笑)。すでにSEO運用中の場合でも、会社の状況や事情に寄り添う形で対応してくれると思います。
納品して終わりではなく、ウィルゲート社は「結果を見た上で、次どうするか」のところまで伴走してもらえるので、自社の課題に対して、より深いところでやりとりができると思います。
──素敵な推薦コメント、誠にありがとうございます。これからのWEBプロモーション課の目標を教えてください。
吉田 : 施策前は「こういうサービスサイトにしたい」といった具体的なイメージがあまり持てていなかったのですが、最近は「これがやりたい」ということが明確になってきました。流入数はものすごく増えてきている状況なので、ここからは成約につなげていくための施策を相談していきたいですね。
──ウィルゲート社に対する今後の要望はございますか?
増田:順調に成果が出てきているので、引き続き、困っていることに対するフォローを期待します。今後も持続力を持って、さらなる結果の追求に二人三脚で伴走いただきたいですし、これまでと同様、能動的にどんどん提案をいただけたら嬉しいですね。
──USEN様のさらなる発展に貢献できるよう、精一杯フォローとご提案をさせていただきます。ありがとうございました!
