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「オーサーランク?リンクの重要性は今後下がるの?」マット・カッツ氏の動画を翻訳してわかったこと “Will backlinks lose their importance in ranking?”
今村 俊介
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最近急に暑い日が続いていますね。
私の部屋にはホットカーペットがまだ敷いてあるので、
早く模様替えしなければとバタバタしています。

 

バタバタといえば、最近SEO関連の大きなニュースがいくつかあり、
業界全体がバタバタしていますね。

 

最も話題になったのは、Googleの品質調査チームのトップであるマット・カッツ氏が
ユーザーの質問に答えるYoutube上のチャンネルに投稿した一本の動画ではないかと思います。

 

Will backlinks lose their importance in ranking?
(外部リンクは検索順位における重要性を減らすのか?)

 

この動画が公開された直後、ネット上では色々な憶測が飛び交い、数多くの記事が書かれました。

動画の公開直後に特に多かった論調として、
「評価軸は外部リンクからオーサーランクへ」というように動画の内容を解釈したものがありました。

 

そのような解釈は、実際にマット・カッツ氏が述べていた内容とは少しニュアンスが違っています。
大きな話題を呼んだこの動画について、事態が落ち着きはじめた今、あらためて解説させて頂ければと思います。

 

動画の全文翻訳

 

動画の内容を正しく理解していただくためにも、マット・カッツ氏が実際に何を話していたのかを、
意訳することなく出来る限り正確に日本語訳させていただきました。

 

(以下、動画の翻訳)

 

今日はニューヨークのリアさんからの質問です。

 

「Googleは90年代に他者がしていたようにただコンテンツの中身だけでなく、外部リンクを評価することにより検索エンジン業界に変革をもたらしました。パンダやペンギンといった、コンテンツの重要性を示すようなアップデートがありましたが、外部リンクは今後重要性を失っていくのでしょうか?」

 

私が思うに、外部リンクの重要性は何年も残るでしょう。

 

しかし、必然的に我々が取り組んでいることは、
熟練した検索ユーザーが、どうやって特定のページが自身の求める情報と一致していることを判断しているかを突き止めることです。

 

外部リンクはページやサイトの評判を示すことがあるので、時としてその助けになることもあるでしょう。
しかし、ほとんどの場合、人々は着地したそのページに書いてあるコンテンツの質を気にします。

だから私は、外部リンクは時間をかけてその重要性を少し減らすと思います。

 

もし私達が実際にこの記事はダニー・サリバンが書いた、これはヴァネッサ・フォックスが書いた記事だな、といったようなことがわかれば、よし、この記事は特定の分野の専門的な話をしているんだなといったことを理解する助けになります。
※訳注:ダニー・サリバン、ヴァネッサ・フォックスともにSEOの専門家

 

そして、例え誰が書いた記事かを知ることができなかったとしても、Googleは次第に自然言語を理解する能力を向上させています。

 

そのため、私達がこれからの数ヶ月で開発していきたい領域は、
スタートレックのようなコンピューターをつくり上げること、つまり対話型検索の開発です。
この検索方式では、ユーザーはコンピューターに話しかけることができます。
コンピューターがユーザーの言っていることを理解できるので、キーワードだけを使って検索しなくてもすみます。

 

例えば誰かが「ジャスティン・ビーバーの身長は?」と話しかけ、
その次に「彼の誕生日は?」と言ったら、その「彼」とは「ジャスティン・ビーバー」を指し示しているということを理解できる必要があります。
そのためにも我々は自然言語の理解を更に向上させる必要があるのです。

 

まとめると、誰が何を書いたのか、コンテンツが本当に意味していることが何なのかを私達が理解できるようになるのにしたがって、
必然的ですが次第に外部リンクに置かれた評価の重点は少し減ることになるでしょう。

 

ただし、今後数年はページやサイトの基本的評価の基準として外部リンクを使用し続けると考えています。

 

(翻訳ここまで)

 

動画の解説

 

この動画でマット・カッツ氏が言いたかったことは検索順位の評価基準を変えるといったことではないようです。

 

巷で話題になった「オーサーランク」という言葉も一切使われていませんし、
著者情報を正しく伝えることが大事ということにも触れてはいません。

 

著者情報に関しては「今後検索エンジンの方で正しく理解できるようにしていきたい」と述べているだけです。

 

一例をあげます。
「アベノミクス 解説 初心者」のようなキーワードで検索をしたとします。

 

 

現在のGoogleの検索評価基準でこのキーワードに対する結果として表示されるページは

  • タイトル・ディスクリプション・本文に的確にキーワードが含まれている
  • キーワードに関連するリンクがたくさん貼られている

といった判断基準により表示されます。(正確には、他にも多くの要因が複雑に絡み合っています)

 

しかし、その表示されたページが必ずしもユーザーが求めていた「アベノミクスを初心者でもわかるように解説する」のページであるとは限りません。
人間は、タイトルや本文、リンク以外の部分でそのページが自分が求めている内容のものかどうかを判断しています。

 

その判断基準の1つの例が記事の著者が誰かというものです。

 

先ほどの「アベノミクス 解説 初心者」を例に取るなら、

もし池上彰さんが運営しているニュースサイトがあり(今のところ実際には無いですが)
そこに池上彰さんがアベノミクスについて書いた記事があったら、
たとえページ内やタイトルに「アベノミクス 解説 初心者」というキーワードが含まれていなかったとしても
そのページをより上位に表示する価値があるのではないでしょうか。

 

Googleが人間と同じように
「池上彰は難しいニュースをわかりやすく解説するプロのアナウンサーだな」ということを理解し、
初心者にふさわしい記事を提供しているという前提のもとで検索結果を表示するということです。

 

動画の中でマット・カッツ氏が述べていた、

「熟練した検索ユーザーが、どうやって特定のページが自身の求める情報と一致していることを判断しているかを突き止めること」

というのは、上述のようなことを言っているのだと思います。

 

Googleが現状できること

 

Googleが現状自然言語をどの程度理解できるようになっているのかを知るために、
動画の中にあるジャスティン・ビーバーの身長は?」という検索を
実際にわたしが持っているAndroid端末で音声入力(英語 EN-US)して試してみました。
※使用したAndroid端末はGoogle Nexus5でバージョンはAndroid4.4.2です

 

まずはじめに英語で“How tall is Justin Bieber?”(ジャスティン・ビーバーの身長は?)と端末に話しかけます。

すると下のような検索結果が表示されます。

 

Screenshot_2014-05-29-14-55-44

この質問に対して一番上にはウェブページではなく、直接の解答がGoogleによって生成されて出てきます。

この機能はワンボックスと呼ばれるものです。

 

次に”When he was born?”(彼が生まれたのはいつ?)と端末に話しかけます。

すると下図のように検索した文字が自動的に“when justin bieber was born?”と書き換わり、ジャスティン・ビーバーの誕生日がワンボックスで検索結果に表示されました。
Screenshot_2014-05-29-14-56-14

この結果を見るとGoogleはすでに検索の代名詞(この場合はhe=Justin Bieber)を理解し、直前の検索内容と結びつけることができるまでに口語を理解できるようです。

 

マット・カッツ氏も述べているように、
機械と対話する形式の検索では従来どおりのキーワードという概念はあまり重要ではありません。

 

また「ジャスティン・ビーバーについての検索」のように、
検索クエリに対応するページを表示するよりは、直接その答えをGoogleが答えてしまった方が、ユーザーの利便性が向上する場合もあるでしょう。

 

しかし、ワンボックスのような形で、Googleが検索に対する答えを返せるのは今回のように絶対的な答えが存在する場合だけのようです。
私が別に試した例で言うと「世界の人口は?」や「ニューヨークの現在時刻は?」のような質問はワンボックスで検索結果に表示されました。

 

これに対し、「おすすめのレストランは?」や「格安の海外ツアーは?」のような明確な答えを持たない質問に関しては、
現状ではキーワードで検索したときと変わらない検索結果ページが表示されます。

 

検索エンジンの文脈読解能力は確実に向上していますが、明確な答えのない検索に対しては、
今まで通り外部リンクを基準とした検索結果を表示するのが現実的なのだと考えられます。

 

 

まとめ:今後検索はどう変わっていくのか?

 

今回の動画の重要なポイントは、「Googleはどのような検索エンジンを目指しているのか」でしょう。

 

Googleは、検索エンジンがページに書いてある情報を「人間が理解するように理解」し、
自然言語を「人間と会話できるレベル」にまで理解できるようになることを目指しているということ
がマット・カッツ氏の話から分かります。

 

人間が”ある情報”を「有益か、信頼できるか」判断するひとつの方法として著者情報があり、
検索エンジンも、そこへの理解を深めていく必要を感じているということです。

 

動画の中で語られている「誰が書いた記事かを理解できるようになりたい」というのは、
今回のジャスティン・ビーバーの身長の話で例えるなら、

誰が書いたのかわからないブログに「ジャスティン・ビーバーの身長は180cmです」と書いてあるのと、
ジャスティン・ビーバーの公式サイトに「身長は175cm」と書いてあるのなら、公式サイトの方を答えとして採用するということだと考えられます。

当然ですが、公式サイトの内容の方が、一般ユーザーのブログ記事よりも信頼性が高いからです。

 

それでは「著作情報が書かれていない記事は質が低いと判断されるのか?」といえばそうではないと思われます。

 

なぜなら上位表示の「判断基準を著者情報メインにする」とは言われていないからです。

 

あなたは著者情報がないからといって、
そのページの情報が無意味なものだとは判断しませんよね。
その他の要素、例えばサイトのデザインや、文章の内容、サイトに寄せられているコメントなどを総合的に判断してそのサイトの情報は有益だと判断すると思います。

 

Googleのクローラーが人間が判断するようにページを判断できるようになれば、
よりユーザーが求める検索結果を表示できるようになる
と、Googleは考えているようです。

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伊藤 航太朗
株式会社ウィルゲート / Webコンサルティンググループ シニアコンサルタント
大学在学中にWeb制作会社を起業。経営コンサルティングファームに新卒入社後、BtoB向けWebマーケティングコンサルティングを立ち上げ。2021年にウィルゲート入社。データベース系サイトのテクニカルSEOやUIUX改善、インサイドセールスコンサルティングなどの支援実績。
今村 俊介
監修者今村 俊介
株式会社ウィルゲート / 執行役員
成城大学社会イノベーション学部心理社会学科卒業後、ウィルゲートに新卒入社。 SEO事業部に配属され、営業・コンサル・サイト分析・戦略立案・代理店営業業務などを経験。その後ソリューションユニットのリーダーに就任し、アナリストとして顧客のサイト分析や戦略・施策立案、サービス開発に従事。 2018年10月からマネージャー、2022年4月にはシニアマネージャーに就任。 2024年1月からはWebコンサルティング部門のシニアマネージャーに就任し、組織体制の再建に尽力。 2025年5月より執行役員に就任。
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