営業力を武器に2年で上場企業に売却「オーナーシップにこだわらない」成長戦略M&A 

AKARI
売却した会社

株式会社AKARI 様

https://akari-fukuoka.jp/

買収した会社

株式会社ライトアップ 様

https://www.writeup.jp/

※本記事は2024年2月公開のYouTube動画を元に作成しました。

当社がM&Aのご支援をした株式会社AKARIと株式会社ライトアップのM&A成約事例について、YouTube「社長のM&Aチャンネル」にて、株式会社AKARIの代表 川崎 隼基 様へのインタビューという形で紹介されました。

当社の支援やM&Aに関する点を中心に要約してご紹介します。

全体の内容はYouTubeの動画をご覧ください。

1話目:https://www.youtube.com/watch?v=LRglq17U2zE

2話目:https://www.youtube.com/watch?v=PXNaU1Bq0RE&t=5s

3話目:https://www.youtube.com/watch?v=74fRPKu8qHE&t=2s

創業からの軌跡──光通信での原点と、独立の決断

創業からの軌跡──光通信での原点と、独立の決断

まずは川崎さん、簡単にこれまでのキャリアを教えていただけますか?

川崎氏:私は高校卒業後、株式会社光通信に入社しました。そこでは、ソフトバンクの携帯電話の営業を担当していました。当時の光通信は、「コミット」という言葉が象徴するように、目標達成に対する意識が非常に高い組織でした。営業に対して徹底した文化が根づいていて、正直きつい部分もありましたが、その経験が今の自分をつくってくれたと感じています。

在籍中は、周囲の先輩たちが次々と独立していく姿を見てきました。それを間近に見るうちに、自分の中にも「いつかは起業したい」という思いが芽生え、30歳のときに独立を決意しました。

独立後はどのような事業を?

川崎氏:創業当初は、いわゆるテレアポ型のコールセンター事業からスタートしました。NTTやKDDIなどの通信回線を電話で提案し、案件を獲得するビジネスモデルです。現場での営業力を武器に、事業は順調に拡大していきました。

ところが、コロナ禍によって状況が一変します。それまで機能していた電話営業が、リモートワークの普及や意思決定の鈍化によって通用しにくくなったんです。このままではジリ貧になると感じ、営業スタイルや商材を抜本的に見直す必要があると考えました。

そこから「補助金ビジネス」へのピボットがあったんですね。

川崎氏:はい。ある時、「業務用エアコンの導入に補助金が出る」という話を耳にして、これだと思いました。当時は国や自治体がコロナ対策として換気機能付きの設備導入を推進していて、飲食店や美容室などでのニーズが高まっていたんです。

私たちは営業力を強みにしていたので、「商材が変わっても売れる」という自信がありました。そこで、業務用エアコンを皮切りに、冷蔵庫、厨房機器など補助金が使える商材を次々と取り扱いながら、現場に入り込んで提案を重ねていきました。

結果的に、このピボットは大成功でした。売上は年商約7億円に到達し、営業利益も約1,800万円まで伸びました。創業からわずか数年で、ここまで成長できたのは、自社の営業力と、タイミングを逃さなかったことが大きかったと思います。

では、なぜそのタイミングでM&Aを検討されたのでしょうか?

川崎氏:事業としては順調に見えていたのですが、補助金制度自体が2023年5月を境に急速に縮小されたことで、「次に何を売るか」という不安が日々募っていきました。私自身、商品開発のような領域にはあまり強みがなく、常に新しい商材を見つけ続けていくビジネスモデルには限界を感じていました。

「このまま1人で走り続けるのは難しい」「もっと安定した環境で、営業力を生かした別の挑戦をしてみたい」そう考え始めたのが、M&Aを意識した最初のきっかけです。

このまま不安定な状況が続いたら、社員たちに申し訳ないという気持ちもありました。彼ら彼女らに安心して働いてもらいたい、将来が描ける場所を用意したいという思いがすごく強かったですね。自分ひとりでなんとかしようとするよりも、グループの力を借りて、より良い環境を整えていくことが正しい選択だと思いました。

実際にM&Aを決断してから、どのくらいで成約に至ったのでしょうか?

川崎氏:M&Aの検討を始めたのが2023年春頃で、成約までは約半年でした。ウィルゲートさんに相談してすぐに複数の候補先を検討する中で、最初にお会いしたライトアップさんと「ここしかない」と感じ、他を見ることなく即決しました。

金額面では、7,200万円という条件で決まりました。もちろん、理想としてはもう少し欲しい気持ちもありましたが、それ以上に「信頼できる相手と一緒に次のステージへ行ける」という確信があったので、交渉などは一切せず、そのまま受け入れました。

提示された金額についても、まったく交渉はしませんでした。最初におっしゃっていただいた金額が、自分に対する評価だと思ったんです。それ以上に、信頼できる方々と一緒にやっていける確信の方が大きかったので、迷いはなかったですね。

意思決定の速さが印象的です。

川崎氏:もともと「自分が作った会社をどうしたいか」よりも、「この先、もっと面白いことができるか」に興味がありました。オーナーシップにこだわるタイプではないので、「会社を売る」ことに対して特にためらいはなかったですね。むしろ、「ここからが本当の勝負だ」と思いました。

デューデリジェンスと実務を通じた信頼構築

成約までのプロセスにおいて、特に印象的だったことはありますか?

川崎氏:一番大変だったのはやはりデューデリジェンス(以下DD)です。売上や利益といった数字だけでなく、経費の妥当性、契約書の整合性、売上計上のタイミングまで、弁護士・税理士・会計士などから細かい確認がありました。

特に私の会社は私自身が100%株主だったので、対応はすべて自分ひとり。毎日「この処理で合っていたのか」「このやり方は通用するのか」と、自分の経営判断を棚卸しされているような感覚でした。精神的にはかなりしんどかったです。

その不安や負荷をどう乗り越えたのですか?

川崎氏:ウィルゲートの担当者の支えが本当に大きかったですね。Slackでのやり取りも迅速でしたし、書類の作成方法や対応方法について「ここはこう説明すると伝わりやすいです」といった具体的なアドバイスをもらえたのは心強かったです。

吉岡:ライトアップさんにとっても今回が初めてのM&Aだったということで、取締役会への説明資料作成や社内の承認フローなども含めて、慎重に進められていました。DDには約3ヶ月をかけましたが、お互いに理解を深めながら進められたと思います。

交渉の中で、特に印象に残ったやり取りはありましたか?

川崎氏:ライトアップさんが、事業の中身だけでなく「人」に強い関心を持ってくれたことが印象的でした。「社員がどんな価値観を持っているのか」「どんなチーム文化なのか」などを真剣に聞いてくださって、「この会社は人を大事にしてくれる」と確信できました。

M&Aは約半年で完了されたそうですね。

吉岡:はい。ご相談を受けてから、面談、意向表明、DD、契約締結まで、約6ヶ月で着地しました。もちろん、川崎さんの意思決定の早さもありましたが、各ステップで信頼関係を築けたからこそのスムーズな進行だったと思います。

川崎氏:私自身も、「なんとなく相談しただけ」のつもりだったのに、気づいたら半年後には成約していたという感じです(笑)。ただ、不思議と迷いはなくて、「この人たちとなら大丈夫だ」と思える関係性が、常に背中を押してくれました。

社員の引き継ぎについても、非常に丁寧に対応されたそうですね。

川崎氏:はい。うちの事業は完全に“人ありき”です。社員がいなければ成り立たないので、全員を引き継いでいただくことはM&Aの大前提でした。ライトアップさんにもその点を丁寧にご説明し、処遇や給与についてもすべて事前に確認しました。

結果として、全社員の待遇は維持または向上し、誰一人として辞めることなく新しい環境に移行できました。これは経営者として一番安心したポイントです。

ウィルゲートとの出会い──“信頼できるパートナー”との最初の接点

ウィルゲートにM&Aの相談をしようと思ったきっかけは何だったのでしょうか?

川崎さん:正直、最初は「M&A」という選択肢すら明確には持っていませんでした。補助金事業の将来に対する不安はありつつも、「このまま続けていくしかないのかな」と漠然と考えていたんです。

そんな時、たまたまYouTubeでウィルゲートの吉岡さんが出演している「社長のM&Aチャンネル」を見かけました。元光通信出身の方がM&A支援をしているということで、すごく親近感が湧いたんですよね。動画の中で紹介されていた事例も、自分と近い規模や悩みを持つ経営者のものばかりで、「一度話を聞いてみよう」と思ったのが最初のきっかけです。

初めて相談された際、印象に残ったことはありますか?

川崎さん:はい、相談の初期段階から“営業っぽさ”が一切なかったことに驚きました。ウィルゲートの担当の方は、「無理にM&Aを進めましょう」というスタンスではなく、「今後のキャリアや事業の方向性を一緒に考えましょう」と寄り添ってくれました。僕の年齢や立場に近い方で、悩みや不安も率直に話せたことが大きかったですね。

他の仲介会社とも比較されたのでしょうか?

川崎さん:はい、いくつか他の仲介会社にも話は聞きました。でも、どこか“形式的”な対応が多かった印象です。その点、ウィルゲートは人間味があって、こちらの立場をちゃんと理解したうえで、一緒に出口戦略を描いてくれるパートナーだと感じました。

最終的に「この会社に任せよう」と思った決め手は?

川崎さん:担当者の誠実さ、これに尽きますね。M&Aって、どうしても手続きや交渉の“技術”に注目が集まりがちなんですが、実際に一番重要なのは「この人たちと一緒に走れるかどうか」なんです。毎回の面談で「大丈夫ですよ、なんでも言ってください」と真摯に対応してくれたウィルゲートの姿勢に、「ここなら安心して任せられる」と思えました。

ライトアップ社とのマッチングも、ウィルゲート経由だったのですね。

川崎さん:そうです。実際、吉岡さんがFacebookで僕の案件を投稿してくれたことがきっかけで、ライトアップの杉山取締役から即座に連絡が入りました。そこからの展開の早さも驚きでしたが、何より「こういうご縁を生む仕掛けができるのもウィルゲートならではだな」と感じました。

最初にライトアップさんとお会いしたのは、渋谷の屋上でのバーベキューだったんです。杉山さんが自ら肉を焼いてくれて、すごく和やかな雰囲気でした。最初はネクタイを締めて行こうとしたんですけど、ウィルゲートの担当の方に「ネクタイ外してください」って言われたのを覚えてます(笑)。そんなラフな空間の中で、白石社長や杉山さんが熱く『コミット』という言葉を何度も使っていて、本気で会社を大きくしたいという想いが伝わってきた。その言葉が、自分の中では強く響きました。

まさに、“人で選んだM&A”を支えたのがウィルゲートだったというわけですね。

川崎さん:その通りです。僕にとってウィルゲートは、“会社を売る”ための業者ではなく、“自分のこれから”を一緒に考えてくれた仲間でした。

グループイン後の実感と広がる可能性

ライトアップグループにジョインされた後、生活や働き方に変化はありましたか?

川崎氏:率直に言って、「何も変わっていない」と感じています。福岡の拠点もそのままですし、私自身もAKARIの社長として引き続き現場を見ています。東京支店はライトアップのオフィスに移りましたが、業務内容や体制は一切変更なしです。売却後に「肩書きが変わる」「自由度が下がる」といった懸念を抱かれる方もいるかもしれませんが、私にとってはむしろ逆でした。

グループに加わったことで、事業リソースや人的ネットワークの幅が一気に広がった感覚があります。これまでは自分一人で全責任を背負ってきましたが、今は経営や企画について相談できる仲間がいる。孤独感が和らぎ、より前向きな思考ができるようになりました。

ライトアップ側からの要望や関わり方についてはいかがですか?

川崎氏:実は、当初は「少し社長業の負担が軽くなるかも」と期待していた部分もあったんですが(笑)、むしろ新しいプロジェクトや企画の相談がどんどん舞い込んできます。ライトアップの杉山さんとはSlackで日常的にやり取りしていて、「このプロダクトどう思いますか?」「営業目線でこの企画、どうでしょう?」といった会話が頻繁にあります。

グループ内での役割も広がっているということですね。

川崎氏:そうですね。プロダクト企画や営業戦略への関与が増えたことで、自社単体では見えなかった市場や課題にも取り組めるようになりました。自分の強みである現場感や営業の切り口を活かして、グループ全体の新しい可能性を一緒に描けている感覚です。

グループとしての期待値も高そうです。

川崎氏:はい、社内では「7億円を自力で立ち上げた現場の大将軍が来た」と話題でした。若手が多いライトアップ社にとって、外部から経験豊富な経営者が加わったことは大きな刺激になっており、組織の厚みや多様性が増す好影響が出ていると感じています。

グループ全体としての展望はいかがですか?

川崎氏:単独では難しかったスケール感を、今は現実的に目指せるようになりました。ライトアップグループで売上100億円を目指すという大きなビジョンがあり、その中で自分がどう貢献していけるかを常に考えています。今後は新しいプロダクトや施策を生み出して、グループの成長を牽引していきたいです。

シナジー創出と営業戦略の再構築

シナジー創出と営業戦略の再構築

M&A後、ライトアップ社との間でどのようなシナジーが生まれましたか?

川崎氏:AKARIは現場営業、特にテレアポから訪問して契約を獲得するスタイルが強みです。一方、ライトアップさんはオンライン完結型で全国の中小企業から補助金申請の相談を受ける仕組みです。手法こそ真逆ですが、補完関係として非常に相性が良いと感じています。

現場営業の力が活きる場面があると?

川崎氏:例えば、補助金を活用して設備導入した飲食店や美容室に対して、今後は「HP制作」「予約システム導入」などのクロスセル提案ができます。以前なら分断されていた営業線が、今では一本の線でつながった感覚です。

AKARIからライトアップへ、またその逆もあると。

吉岡:ライトアップ側にも、導入支援を依頼できる具体的なパートナーができたことで、より踏み込んだ提案ができるようになりました。これまでは補助金の“相談”にとどまっていた案件が、“導入までのワンストップ提案”へと進化しています。

川崎氏:逆に、ライトアップの顧客基盤から補助金の対象となる商材が見えた際は、「それならAKARIに任せよう」という自然な流れも生まれています。補助金を活用した事業導入の“最後の一手”を担える存在になったと思っています。

営業の幅が広がったということですね。

川崎氏:まさにそれです。補助金を活用して設備を導入するだけでなく、その後の販促や業務改善まで一気通貫で提案できる。営業の深さも広さも確実に増しました。

すでに具体的なプロジェクトも動き出しているのでしょうか?

川崎氏:はい。現場営業の知見と、ライトアップの補助金ノウハウ、そしてテクノロジーを掛け合わせた新しいプロダクト企画が複数進行中です。まだ詳細は公開できませんが、従来のどちらの会社にもなかった“新しい切り口”のサービスが形になりつつあります。

“人の力”がシナジーの源泉という印象です。

吉岡:本当にそうですね。今回のM&Aは、単なる商材や顧客のシェア拡大ではなく、「人が現場で動いて生まれる価値」が本質です。営業チームや現場スタッフ同士が協働することで、実際に目に見える成果が出てきており、理想的な事業統合モデルだと考えています。

社員たちの安心とM&Aによる職場環境の変化

社員たちの安心とM&Aによる職場環境の変化

社員の皆さんにM&Aを伝えた時の反応はいかがでしたか?

川崎氏:社員の反応には最も気を遣いました。「会社が売却される」と聞くと、どうしてもネガティブな印象を抱かれやすい。でも、AKARIは人が中心の会社。彼らにとって意味のあるM&Aであることをきちんと伝えたかったんです。一人ひとりに丁寧に説明し、納得してもらいました。中には涙を流す社員もいて、「社長についていきます」と言ってくれたのは本当に嬉しかったですね。

待遇や職場環境の変化についても配慮されたのですか?

川崎氏:はい。条件面は特に重視しました。福岡の拠点はそのまま継続、東京拠点のみライトアップ本社に移転しましたが、チーム構成や業務内容、給与体系も基本的に維持、むしろ改善されています。私は「社員の条件は必ず守ってほしい」と事前に強くお願いしていて、結果として全員が以前よりも良い条件でグループに迎え入れてもらえました。

M&A後も“変わらない日常”を意識されたと?

川崎氏:はい。「何も変わらないこと」が、実は最大の安心材料になると考えています。社員が不安にならずに、目の前の業務に集中できる環境を整えることが何より重要でした。ライトアップ社の白石社長・杉山取締役も「AKARIはAKARIのままで良い」と言ってくれて、本当にありがたかったです。

吉岡:M&Aにおいて「事業は人なり」という言葉は非常に重みがあります。買い手企業が文化や制度を一方的に押し付けてしまうと、現場が崩れる。今回は、文化や制度の“尊重”が成功の要因の一つになりました。

社員の皆さんのキャリアや成長にも良い影響がありましたか?

川崎氏:間違いなくプラスになっています。ライトアップという上場企業の一員になることで、福利厚生や制度面の充実、社会的信用も増しましたし、将来的なキャリアパスも開けました。何より、社員自身が「この会社にいてよかった」と思える環境をつくることが、私の役割だと考えています。

現在の社員の様子はどうですか?

川崎氏:皆、自然に今の環境に馴染んでいて、「M&Aがあったことを忘れてた」というくらい違和感なく日常が続いています。それは「変化を押し付けなかった」からこそだと思います。

オーナーシップを手放して得られた成長の選択──“M&Aは終わりではなく、始まり”

100%株式を譲渡されたとのことですが、経営者としての心境はいかがでしたか?

川崎氏:正直、ネガティブな気持ちは一切ありませんでした。むしろ、これまで自分が育ててきた会社が、より大きな枠組みでさらに成長できると思うとワクワクしたんです。私は「誰の会社か」にはあまりこだわりがなく、「面白いことができるかどうか」が最優先。オーナーシップを手放すことで、よりスケーラブルな未来が見えてきたと感じています。

経営者としての責任やプレッシャーは変化しましたか?

川崎氏:変わりましたね。以前は100%株主であり、すべての責任を自分1人で背負っていました。でも今は、グループという後ろ盾があることで「一緒に考えてくれる仲間がいる」安心感があります。結果的に、より大きな視点で事業を見渡せるようになったと思います。

M&A後の立場や役割についてはどうですか?

川崎氏:AKARIの代表は引き続き務めていますし、日常業務はこれまでと変わりません。ただ、ライトアップ社の取締役である杉山さんと、新しい事業について日々ディスカッションしたり、グループ全体の企画に関わる機会は増えました。当初は「少しは楽になるかな」と思っていたんですが(笑)、むしろ関わりの範囲は広がっていますね。

グループイン後に視座が高まったと?

川崎氏:まさにそれです。単独で会社を運営していたときには見えなかった世界が、グループの一員になったことで一気に開けました。グループ全体で売上100億円を目指すというビジョンに向かって、自分も新しいプロダクトを企画し、大きな挑戦をしていく。それが今のモチベーションです。

“オーナーではなくなる”ことへの抵抗感はなかったのでしょうか?

川崎氏:私はむしろ、手放すことで可能性が広がると考えていました。「会社を売る=終わり」ではなく、「再スタート」。実際に、グループ内で信頼して任せてもらえていることがやりがいにもつながっています。外様扱いされることもなく、今もAKARIの社長として自由に動けている。こうした関係性が築けたからこそ、ポジティブな変化として受け止められたのだと思います。

世間では「会社を売ってリタイア」というイメージを持たれることもありますが、私の場合はまったく逆で、むしろM&Aを通じて新たな成長ステージに突入したという感覚です。AKARIをもっと面白く、大きくするための選択肢としてM&Aを活用しただけであり、ここからが本当の勝負だと感じています。

最後に、今回のM&Aから得た学びをひとことで表すと?

川崎氏:「信頼できる人たちと、一緒に未来を描けること」。それが何よりの収穫でした。

グループとしての成長戦略と川崎氏の展望

今後の展望についてお聞かせください。

川崎氏:現在、グループ全体での売上100億円を目指して動いています。その中で、AKARIとしても新しいプロダクトを企画・開発しており、これがグループ全体の成長を牽引できるような柱になるといいなと考えています。これまでのように自分ひとりで事業を進めるのではなく、グループの力を活かしてスケールの大きい挑戦ができる環境が整ったことは、自分にとって大きな変化でした。

ライトアップグループとの連携によって、どのような強みが活かされていますか?

川崎氏:AKARIは現場営業に強みがあり、テレアポや訪問を通じて顧客との信頼関係を築いてきました。一方で、ライトアップさんはオンラインを中心とした補助金申請支援の仕組みを全国展開しています。この2つの強みが融合することで、営業チャネルや提案内容の幅が大きく広がりました。

たとえば、補助金を活用して空調設備を導入した顧客に対して、次の提案としてホームページ制作や予約システム導入などを勧めることができます。こうしたクロスセルが、グループ全体の売上拡大に直結すると考えています。

すでに新規プロジェクトも進んでいるのですか?

川崎氏:はい。まだ詳細は公開できませんが、現場営業の知見とライトアップのテクノロジー、補助金支援ノウハウを組み合わせた新しいサービスの構想がいくつか動いています。「地場密着×補助金×テクノロジー」という組み合わせによって、これまでにない価値を提供できる手応えを感じています。

社員や組織の視点から、今回のM&Aを振り返っていかがですか?

川崎氏:やはり「変わらない日常」の中にある「安心感」と、「広がった可能性」が今回のM&Aの最大の成果だと感じています。社員の待遇や働き方はほとんど変わっていないのに、未来の選択肢は大きく広がった。これは、グループにジョインしたからこそ得られたものだと思います。

最後に、これからM&Aを考える経営者に向けてメッセージをお願いします。

川崎氏:M&Aは「終わり」ではなく「始まり」です。会社を売ることに対する不安や抵抗感はあるかもしれませんが、信頼できる相手と出会えれば、それは“自分と会社の可能性を広げるための選択”になります。大切なのは、「何を手放すか」ではなく、「何を得られるか」を見据えることだと思います。


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ウィルゲートでは、IT/Web領域を中心とした「ウィルゲートM&A(https://willgate.co.jp/ma/)」というM&A支援サービスを展開しています。各専門家と連携しながら最終契約に至るまでワンストップでサービスを提供し、成約実績は5年で71件以上を記録しています。

サービスの特徴

■完全成功報酬制(着手金無料)
弊社は「契約が成立して初めてサービスの価値を提供できる」と考えています。そのため、着手金や中間手数料は一切いただかず、完全成功報酬制でM&Aのご支援をしています。

■17,400社以上の経営者ネットワークを活かしたベストマッチング
弊社はこれまで数多くのベンチャー企業の経営者と深い関係性を築いてきました。このネットワークを活用し、他社では見つからないような様々なM&Aニーズの収集が可能。デューデリジェンス(企業の収益性やリスクなどを総合的に評価すること)も実施の上で、最短2ヶ月でM&Aが成立した実績を出すこともできました。

■Web・IT業界に関するノウハウ
2006年の設立以来、提供をしているWebマーケティング支援サービスに加え、自社でメディア運営の事業も展開しており、これらの事業運営の経験を通して得たノウハウがあります。そのため他社が得意としないベンチャー・IT 領域において、業界や事業の背景を理解した適切なアドバイスが強みです。

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