上場企業グループ入り。そして、親会社の取締役就任へ──Wurの挑戦と2段階EXITの軌跡

- 売却した会社
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Wur株式会社(ウール) 様
- 買収した会社
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株式会社ハイブリッドテクノロジーズ 様
Wur株式会社(代表取締役:閏間 莉央氏)は、日本とベトナムのリソースを活用したハイブリッド型システム開発を行う株式会社ハイブリッドテクノロジーズ(本社:東京都中央区、代表取締役社長:平川 和真氏、証券コード:4260)に対し、自社株式の67%を譲渡し、同社の子会社となりました。
さらに、ハイブリッドテクノロジーズ自体が株式会社エアトリ(本社:東京都港区、代表取締役社長 兼 CFO:柴田 裕亮氏、証券コード:6191)のグループ会社であることから、Wur社はエアトリグループの一員にもなります。
本件は、いわゆる「二段階EXIT」型のM&Aで、残る33%の株式についても今後、第二段階での譲渡が予定されています。
このM&Aにより、Wur社はハイブリッドテクノロジーズ社およびエアトリグループの経営資源・ネットワークを活かし、さらなる成長を図る方針です。
今回は譲渡企業のWur社の代表取締役・閏間 莉央氏にお話を聞きました。
売却を検討した背景──「限界」と「可能性」
—まず、Wur社の事業内容について教えてください、
Wurは、インターネットサービスの企画・開発・デザイン・運営を一貫して手がけるクリエイティブカンパニーです。特に、スタートアップやベンチャー企業の新規事業立ち上げ支援に注力しており、ビジネス設計からUI/UXデザイン、システム開発、マーケティングまでを包括的にサポートしています。また、月額制のラボ型開発や、CTO経験者によるシェアリングCTOサービスなど、柔軟で実践的な開発支援体制を提供しています。
—そもそも、なぜM&Aを検討し始めたのでしょうか?
Wurはもともと、私ひとりと業務委託メンバーという体制でスタートし、ゼロから新規事業を開発する支援を行ってきました。大手企業のプロジェクトを中心に展開してきましたが、ビジネスが成長するにつれて「限界」も感じ始めていました。
たとえば、大手との取引になるとISO認証やセキュリティ対策の有無など、体制的な信頼性が求められます。しかし当時のWurには、そういった体制を整えるための人員もリソースもありませんでした。
そんな状況を打開するには、「自分たちだけで頑張る」のではなく、どこかの企業と手を組む方がいいのではないかと考えるようになったんです。最初は業務提携(アライアンス)を検討して、さまざまな会社に話を聞きに行っていました。
ただその過程で、「一緒にやるなら株も持ち合った方がいい」という話が自然と出てくるようになり、M&Aという選択肢が現実味を帯びてきたんです。
わずか3ヶ月のスピードM&A──創業者ひとりで駆け抜けた日々
——M&Aの検討からグループインまで、かなり早かったですよね。
はい。ウィルゲートさんに初めて相談したのが2023年12月。そこから約3ヶ月で2024年3月には契約を締結し、翌4月にはハイブリッドテクノロジーズにグループインしました。スピード感がすごかったですね。
この間、営業や業務マネジメントを続けながら、M&Aの全プロセス──資料整備、法務対応、買い手企業との交渉、そしてデューデリジェンスまで、すべて私一人で進めていました。深夜まで弁護士とやり取りをして、翌朝から通常業務に戻るような毎日が続いて、正直、大変でしたね。
「たった一人の会社」に対する懸念とどう向き合ったか
——創業者ひとり、社員ゼロという体制は、買い手企業にとってもリスクと映ったのでは?
まさにその通りでした。当時、Wurには正社員が私一人。他はすべて業務委託で、深く関わってくれている方も含めて約35名という構成でした。
当然、買い手であるハイブリッドテクノロジーズも「閏間さんが抜けたらどうなるの?」という不安を持たれていました。そこで私は、M&A後も長く事業にコミットする姿勢を示すために、ロックアップ期間を3.5年に設定しました。
さらに「2段階EXIT」を選択し、まず67%を譲渡し、残りの株式については中長期的な成果に基づいて評価してもらうことにしました。売却してすぐ退くのではなく、成長を一緒に実現するパートナーとしての道を選んだということです。
エンジニアリソース──成長加速の布石としてのM&A
——グループインの決断を後押しした要因についても教えてください。
最大の決め手は、開発リソースの拡充が見込める点でした。Wurは新規事業の立ち上げ支援をゼロベースで行う会社ですが、開発フェーズになるとどうしてもエンジニアを多数確保しなければなりません。
ただ、優秀なエンジニアを日本でも海外でも採用するのは非常に難しい。そんな中で、ハイブリッドテクノロジーズが自社の100%子会社としてベトナム国内に開発拠点をもっており、その豊富なエンジニアリソースを活用できると知ったとき、「これは大きなアドバンテージになる」と感じました。
また、過去にコンペで何度もバッティングしてきた会社だったこともあり、互いの特徴を理解し合えていたのも大きかったです。
バリュエーションの攻防と交渉──過酷なデューデリジェンスの舞台裏
——M&Aの中でも、特に大変だったプロセスはありましたか?
やはりデューデリジェンスですね。買い手からは100項目以上の質問がExcelで送られてきて、それに対応するのは大変でしたね。
特に厳しかったのは、売上や利益の計上タイミングについて「この収益、本当に今年の分ですか?」といった指摘を受けた場面。納品遅れや年度またぎの案件で、数字の見え方が微妙にずれることがあるんですが、買い手としては慎重にならざるを得ない。こちらは少しでも高く評価してもらいたい。そんなせめぎ合いを、繰り返していました。
その中でウィルゲートさんに紹介いただいた弁護士の方が、非常に頼れる存在でした。買い手側と本気で交渉してくれて、まさに“仲間”という感じで、支えになりました。
グループインによって実現した事業成長のブレイクスルー
——実際にM&Aを経て、事業面で変化はありましたか?
大きく3つの変化がありました。
まずは営業活動の幅が広がったこと。やはり「上場企業のグループ会社」という看板の効果は大きいですね。商談の場で会社の信用度が格段に上がり、これまでならエントリーすら難しかったような大きなプロジェクトにも参加できるようになりました。これはすぐに実感できた効果です。
次に、売上の構造が変わりました。ハイブリッドテクノロジーズ側で拾いきれなかった案件を、Wurが柔軟に受けられるようになりました。これにより、売上にもしっかりつながっています。
そして体制面では、ハイブリッドテクノロジーズから役員がWurに参画してくれたことで、経営上の意思決定を相談しながら進められる体制ができつつあります。今後は社員採用も進め、チームとしての形を整えていく予定です。
上場企業の取締役という新たなキャリアの展開
——現在は譲受企業であるハイブリッドテクノロジーズの役員も務められているそうですね。
はい、2024年12月から営業部門を統括する取締役に就任しています。
上場企業ならではの法務・稟議・ガバナンス体制がしっかり整った中で、意思決定に関われるようになりました。
経営者としての視座が広がり、自分にとって非常に大きなキャリアのステップアップだと感じています。
心にもたらされた「余白」──M&Aで得たものとは
——M&Aを通じて、個人的に得られたものは何ですか?
やっぱり「心の余裕」ですね。金銭的なインパクトももちろんありましたが、それ以上に「この先どうなるんだろう」という漠然とした不安がなくなったことが大きかったです。
資金的なベースができたことで、今は目の前の事業に100%集中できる環境が整った。これは創業者にとって本当に大きいことです。
YouTube経由の出会い──ウィルゲートに相談したきっかけ
——ウィルゲートに相談した経緯を教えてください。
最初はウィルゲートさんのYouTubeチャンネルでM&Aインタビュー動画を見たのがきっかけです。
知人が登場していた回もあって親近感が湧いて、思い切って問い合わせをしてみたら、吉岡さんも担当の方もすごく親切で。初めてのM&Aで右も左も分からなかった私に、手取り足取り教えてくれたのは本当にありがたかったです。
さらに、信頼できる弁護士の方を紹介していただけたのも大きかった。その方が買い手側と本気で交渉してくれて、私はもう「ありがとう!」って感謝しきりでした(笑)。
最後に──M&Aを考えるすべての経営者へ
——M&Aを検討している経営者に向けて、メッセージをお願いします。
M&Aは決して「会社を売ること」ではなく、「会社を成長させるための手段の一つ」です。もちろん自由を失うことへの不安もあると思います。でも、その不安を超えて、自分の理想とする会社像に近づけるなら、挑戦する価値は十分にあります。
私自身、グループイン後の変化を通じて「やってよかった」と心から思えています。
少しでも気になる方は、ぜひ一度ウィルゲートさんに相談してみてください。きっと、想像以上に未来が開けるはずです。

ウィルゲートM&AにM&Aに関するご相談をご希望の場合は、以下から無料相談にお気軽にお申し込みください。
https://willgate.co.jp/ma/contact/
M&A仲介サービス「ウィルゲートM&A」について
ウィルゲートでは、IT/Web領域を中心とした「ウィルゲートM&A(https://willgate.co.jp/ma/)」というM&A支援サービスを展開しています。各専門家と連携しながら最終契約に至るまでワンストップでサービスを提供し、成約実績は5年で71件以上を記録しています。
サービスの特徴
■完全成功報酬制(着手金無料)
弊社は「契約が成立して初めてサービスの価値を提供できる」と考えています。そのため、着手金や中間手数料は一切いただかず、完全成功報酬制でM&Aのご支援をしています。
■17,400社以上の経営者ネットワークを活かしたベストマッチング
弊社はこれまで数多くのベンチャー企業の経営者と深い関係性を築いてきました。このネットワークを活用し、他社では見つからないような様々なM&Aニーズの収集が可能。デューデリジェンス(企業の収益性やリスクなどを総合的に評価すること)も実施の上で、最短2ヶ月でM&Aが成立した実績を出すこともできました。
■Web・IT業界に関するノウハウ
2006年の設立以来、提供をしているWebマーケティング支援サービスに加え、自社でメディア運営の事業も展開しており、これらの事業運営の経験を通して得たノウハウがあります。そのため他社が得意としないベンチャー・IT 領域において、業界や事業の背景を理解した適切なアドバイスが強みです。