社員教育に課題感を持っている企業に向け、人材開発プラットフォーム「manebi(マネビ)」を提供している企業があります。それが株式会社manebi様です。
同社はマーケティング戦略の再構築を図るために、ウィルゲート社の「プロトル」を利用してプロのマーケターを社内に迎え入れました。現在は次なるフェーズに向けて内製化できる体制の確立を進めている最中です。
プロトル導入の背景や施策内容について、マーケティング部門を管掌する小野寺氏にお聞きしました。
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manebi様は2013年8月に創業し、11周年を迎える企業です。まずは同社の事業やサービスの詳細について、小野寺さんに詳しくお聞きしました。
小野寺:当社では5,000超のeラーニング教材と集合研修、ナレッジ共有を体系的に組み合わせた人材開発プラットフォーム「manebi」を提供しています。これは人事課題をお持ちの企業様を対象にしたコンサルティングに近い伴走型のサービスで、幅広い業界の企業様に導入いただいています。人事に課題感を持っているのは、人手が不足している中小規模の企業が多いという背景もあり、100〜300名規模のお客様を中心に、1000名以上の大企業のお客様まで幅広くご利用いただいています。
創業後、最初に当社の事業の柱になったのは、派遣業界に特化した eラーニングサービス「派遣のミカタ」でした。当初はBtoC向けのeラーニングサービスを展開していましたが、BtoBの需要が高く、派遣業界に特化してサービスを展開していくことになりました。数年ほどで派遣業界での導入者数No.1のサービスに成長し、2019年にはオンライン面接ツールなども開発してこれから積極的に提供していこう、という状況でした。私もその時期に入社しています。
しかし2020年4月以降、コロナ禍に入って市場が一変。多くの企業で出社制限がかかり、派遣業界以外でもeラーニングの需要が急増しました。これ以降、広く一般企業向けに導入できる「manebi」が、当社の売上の柱となっていきました。創業から10年を迎えたタイミングで、当社のミッション「自分らしく輝くためのプラットフォームをつくる」の実現がより力強くなってきた手応えを得ています。
小野寺:当社は創業時から上場を目指しているのですが、2022年頃を境に上場審査の潮流が大きく変わったことが関係しています。それまでのように売上高重視ではなく、利益率重視に変わったことで、当社も高収益体質に変わらなければならなくなりました。
それまでは売上高のトップラインを上げることに注力しており、2021年にはベンチャーキャピタルからの投資を受け、積極的に展示会に出展するなどしてマーケティングにも予算を投入していましたが、販売促進にかかる経費の見直しが急務となったのです。「やりたいマーケティングができないなら」ということで複数のメンバーが社を去り、マーケティングの体制も最小限になっていました。
そこから10ヶ月ほどで黒字化を果たすことができ、改めて「マーケティング戦略を再構築していこう」となったのですが、それを担える人材が不足していたため、マーケティングの上流の整理や現場へのアドバイスができる人材を探すことになりました。
小野寺:その通りです。社内で「誰か良い人材を知らないか」と聞いて回っていた際に、ウィルゲート社にプロのマーケターを紹介してくれるサービスがあると耳にしました。私は当時カスタマーサクセスやコンテンツ制作の部署を管掌しており、マーケティング部は他のメンバーに任せていたのですが、課題感を持って関わる中で採用に立ち合うことになり、その後、部門全体も管掌することになりました。
小野寺:紹介していただいた舟木さんが、求めている役割に最適な人材だと思ったからです。最初に舟木さんの話を聞いたときには「戦略設計もできて、自分の手も動かせて、営業も分かっている、そんなスーパーマンみたいな人材、本当にいるの?」と正直、半信半疑の気持ちでした(笑)。特定のジャンルに強いマーケティング人材はいても、全般的にプロフェッショナルな仕事ができる人材はそうそういないからです。
ただ面接してみると、すぐに「この方と一緒に仕事をしてみたい」という気持ちになりました。マーケティングの上流工程の整理からクリエイティブ、広告の運用まで幅広く手を動かせる方で、スキルセットは申し分なく、最初から最後まで見てもらえそうだと期待感を持ちました。必要以上に自分を大きく見せることなく、かつ言葉を濁さず話してくださる実直な方という感じで、人柄の面でも非常に好印象でしたね。
小野寺:事前に詳細な情報をもらうことができ、かつその資料通りの人が来てくれたことが、大変有難かったです。私もいろいろなところで採用をやってきましたが、こちらの期待値を完璧に満たす人材に巡り会えることは、意外と少ないものです。事前情報と実際に会ったときのギャップが全くなかった、ということに良い意味で驚きました。
川口:ご満足いただいているようで何よりです。必要なスキルセットを持った人材であることは大前提ですが、一緒に働くとなると人柄や人間性も相当に重要な要素ですよね。我々もアサインの際、かなり重点的に見ているポイントです。「小野寺さんと相性が良さそうな人材はどんな人か」を考える上では、当社の窓口となってくれたCPOの堂前さんともやりとりを重ねました。検討した上で「この人なら自信を持って推薦できる」と思った舟木さんをアサインさせてもらった形です。
小野寺:全くありませんでした。契約期間が6ヶ月ということで、面接前は「当社に合わない人材だったら不安だな」という気持ちは少々ありましたが、お会いして一緒に働きたいと思えたので、早々に決断することができました。
川口:そのあたりの懸念はあって当然だと思います。実はウィルゲートも社内の3割以上、実に70名近くが業務委託のメンバーでして、いろいろなプロ人材が活躍してくれています。「自社でやってみてどうか」を話せることも安心感につながっていれば幸いです。
小野寺: 最初に依頼したのは「マーケティングの大きな戦略を作り直したい」ということです。1年半ほど前に立てた戦略はあるものの、かなり世の中の状況も変わってきているので、いろいろな情報をお渡しした上で「当社のことを理解してもらい、うまくできていない部分を一緒にやってほしい」とお願いしました。
また、上流の情報整理と並行して、現場のメンバーたちの「リード獲得数を増やしたい」という課題にもお力添えをいただいています。SEOの知見をシェアしてもらいながら目下、取り組んでいる状況です。舟木さんはスピーディーに当社の理解を深めてくださり、ツールの営業代行から広告運用の細かいところまで見てくださっていて大変助かっています。
小野寺:将来は自社で内製化できるようになることを目指しているので、メンバーには「舟木さんからいろいろなことを学んでほしい」と伝えています。実際に舟木さんの考え方や動き方を間近で見ている過程で、良い意味で意見の対話が増え、チームが成長しているのを感じます。
メンバーの世代は20代〜40代と幅広いのですが、それぞれが以前より積極的に動くようにもなってきました。現場を回すには説得力が必要ですが、舟木さんは営業の仕組みを作った経験もあるとのことで、そのあたりが彼の力強さの1つだと思います。
舟木さんは考え方がすごくシンプルで、彼のような考え方の人が増えれば組織が良くなるだろうな、と感じます。舟木さんのレベルまで達するのは簡単ではないとは思いつつ、少しでもエッセンスを吸収していきたいと思っています。
小野寺: 待ちの姿勢ではないことが大変、有難いですね。私から「これを作ってください」とお願いしなくても、こちらの意図を汲み取って、舟木さんの方から「作りましょうか」と提案してくださいます。一例ですが、マーケティングのリードから算出した受注数の見える化シートなども作っていただきました。我々が「こういう方向に持っていきたい」という意志を示すと、2〜3倍で返してくれるイメージです。それでいてアウトプットの量も質も高く、「ちゃんとやってくださる方なのだな」という信頼感を持っています。
広告代理店に対して、切れ味鋭い質問や切り込んだ提案をしてくれることも助かっていますね。「舟木さんは代理店より広告を知っているのでは?」と思う瞬間もあるほど。効果検証や細かい計測の数字に基づいてお話してくださるので、表面的ではない、非常に意義ある打ち合わせができています。
あとは、私自身の決断がしやすくなったということも、採用の副次的な効果として感じていますね。今まではリスクを恐れ、やったほうがいいと分かっていて手を付けてこなかったこともあるのですが、マーケティング施策はやってみないと有効性がわからないことが多いのも事実。経験豊富な舟木さんがリードしてくれ、決断の後押しをしてもらっています。
小野寺: マーケティングに困っている企業であれば、どんな会社にも刺さると思います。人柄も含め、相性が合う人を探してくれるはず。私自身、今後もまた困ったときには、プロトルに助けていただきたいと思っています。
川口:ぜひぜひ、いつでもご相談ください。宜しければ、プロトルのプロ人材とうまく協働していくコツについても、アドバイスをいただけますか?
小野寺: 自社で困っていることを率直にお話すること。そして「自分たちがどうしていきたいのか」をきちんと詳細に伝えることが重要かと思います。
小野寺:チームとしては、この4ヶ月で舟木さんにやるべきことを整理してもらったので、あとはやるのみ!という状況です。次のフェーズに入っていこうという段階なので、ここからはしっかり成果につなげていきたいです。
今期のマーケティングの具体的な戦略としては、リスティング広告主体だった状況からポートフォリオを増やしています。SEOの強化、リアルの接点を増やす展示会への出展、コンテンツマーケティングの強化を行うことで、潜在層へのアプローチを強化していきたいと考えています。マーケティングには正解がないと思いますので、いろいろなチャレンジをしつつ、売り上げとのバランスも考えながら、費用対効果の最適化を図っていきたいです。
今期は、業界に特化したeラーニングサービスを強化していこうという方向で動いています。建設業の特別教育を実施する「KCI教育センター」事業を1月から新しく展開しているので、建設業界へmanebiのサービスが広がるようにしていきたいです。
また、事業者数が多い製造業界向けへのサービス展開も強化していきたいと考えているところです。それ以外にも海外展開へ着手しており、シンガポールやベトナムなどでの案件も進めています。国内外問わず多くの人にアプローチし、より多くの企業様にmanebiのサービスを活用してもらえる状況を作っていきたいです。
そして何より上場を見据えている状況なので、ここから1年は数字的にも非常に大事なフェーズです。「マーケティングで新しいチャレンジをしつつも、確実に数字も達成していく」という難しいバランスを目指しています。成長と堅調を両立させ、事業を推進していきたいです。
manebi様のさらなる発展を祈念しております。ありがとうございました!
聞き手:ライター 外山ゆひら
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